仕事の帰りに、混んだスーパーに寄る。献立を考えながら売り場を行ったり来たりし、レジに並び、重い袋を持って帰る。家に着くころには、料理をする元気が残っていない。休みの日も、気がつけば買い物だけで午前中が終わっている。
買い物は、料理や掃除のように「家事をした」という手ごたえが残りにくいのに、時間も体力も使います。けれども、行く回数や、店での動き方、買う方法を少し変えるだけで、買い物にかかる負担は軽くしやすくなります。
やり方を変える前に、買い物のどこに時間がかかっているのかを見ておくと、自分に合う方法を選べます。買い物の時間は、行き帰りやレジ待ちに細かく分かれているぶん、自分では見えにくいものです。
買い物には、どのくらい時間がかかっている?
全国の平均と、自分の買い物の中身。この2つを並べると、どこを短くできそうかが見えてきます。
平均は、1日あたり26分
総務省統計局の「令和3年社会生活基本調査」によると、10歳以上の人が買い物に使う時間は、週全体を平均して、1日あたり26分でした。男性は18分、女性は33分です。
この数字は、買い物をしなかった人や、しなかった日も含めた平均です。実際に買い物に行った日だけを見れば、もっと長くなります。1日26分でも、1週間では約3時間になります。
時間がかかるのは、店の中だけではない
買い物の時間は、売り場を歩いている時間だけではありません。
- 店までの行き帰り
- 何を買うか考える時間(献立、家にある物の確認)
- 売り場で探す時間
- レジに並ぶ時間
- 持ち帰って、しまう時間
どこに時間がかかっているかは、人によって違います。店が遠い人は「行き帰り」、献立が決まらない人は「考える時間」が長くなります。自分の買い物を思い浮かべて、長いと感じる所に印を付けてみてください。
1週間だけ、買い物を書き出してみる
思い浮かべるだけでは分かりにくいときは、1週間だけ、買い物の記録を取ってみます。細かく書く必要はありません。
- 行った日と、行った店
- 家を出てから帰るまでの、おおよその時間
- その日に買った主な物(レシートを取っておけば足ります)
1週間分を並べると、「牛乳だけのために2回行っている」「同じ日に2つの店を回っている」といった、自分のくせが見えてきます。減らす所を決めるのは、それからで十分です。
買い物の時間を減らす3つの方法
買い物の時間を減らす方法は、次の3つに分けられます。
- 行く回数を減らす
- 店での時間を減らす
- 行かずに済ませる

3つを全部やる必要はありません。お金をかけずに始められるのは、1つ目と2つ目です。3つ目は、送料などのお金がかかることがありますが、行き帰りと持ち帰りの手間がなくなります。
1. 行く回数を減らす
毎日買い物に行くと、行き帰りとレジの時間が、毎日かかります。回数を減らすと、その分がまとめて減ります。
買い物に行く日を決める
「足りなくなったら行く」をやめて、行く日を先に決めます。
- 週に2回(例: 水曜と土曜)
- 週に1回(例: 土曜)と、途中で1回だけ、牛乳や野菜を買い足す
いきなり週1回にすると、買う量が読めず、足りなくなったり、余らせたりします。今が毎日なら、まずは1日おきに、それから週2回に、と少しずつ減らすのがおすすめです。
日持ちする物と、しない物を分けて考える
まとめて買いやすいのは、日持ちする物です。
- まとめて買いやすい物: 米、乾麺、缶詰、冷凍食品、調味料、根菜(じゃがいも、玉ねぎ、にんじん)、卵、日用品
- こまめに買う物: 葉物の野菜、刺身、すぐに食べる総菜、パン
肉や魚は、買った日に使わない分を、小分けにして冷凍しておきます。こうしておくと、週の後半にも使えます。
買いすぎない
まとめ買いの失敗は、買いすぎです。使い切れずに捨てると、時間は減っても、お金がむだになります。
- 買う前に、冷蔵庫と棚の中を見る
- 冷蔵庫に入る量までにする
- 「安いから」ではなく、「使う予定があるか」で決める
週の前半に傷みやすい物を使い、後半に日持ちする物や冷凍した物を使う、という順番にすると、使い切りやすくなります。まとめて買った食材を、数日分のおかずにしておく方法は、次の記事で紹介しています。

2. 店での時間を減らす
店に着いてからの時間は、売り場で迷う時間と、レジや持ち帰りにかかる時間に分かれます。どちらも、行く前の準備と店の選び方で短くできます。
買い物リストを、売り場の順に書く
買う物を、いつも行く店の売り場の順に書きます。野菜、肉・魚、豆腐や牛乳、調味料、冷凍食品、日用品、というように、入口からレジまでの順に並べます。
リストがあると、売り場を戻ることが減り、買い忘れも防げます。スマートフォンのメモに、よく買う物の一覧を作っておき、必要な物だけに印を付ける形にすると、毎回書かずに済みます。
家族がいる場合は、同じメモを共有しておくと、気づいた人が書き足せます。
献立は、ざっくり決めてから行く
献立を細かく決める必要はありません。「肉の日が3日、魚の日が2日、麺の日が1日」というくらいで十分です。主になる食材の数が決まっていれば、売り場で迷う時間は短くなります。
同じ店に、すいている時間に行く
売り場を探す時間とレジに並ぶ時間は、行く店と時間帯の選び方で減らせます。
- いつも同じ店に行く(売り場の場所を覚えているので、探す時間が減ります)
- 混む時間を避ける(混む時間は、店によって違います。何度か通って、すいている時間を見つけます)
- 自分で会計をするレジや、スマートフォンで商品を読み取るしくみがある店では、それを使う
持ち帰りを楽にする
店を出てからの手間は、何をいつ買うかの分け方と、持っていく袋で変わります。
- 重い物、かさばる物(米、飲み物、洗剤、トイレットペーパー)は、ふだんの買い物と分ける
- 冷たい物を入れる保冷バッグを用意する(寄り道をしても傷みにくくなります)
- レジのかごに掛けられる形のエコバッグを使う(かごから袋へ詰め替える手間が減ります)
- 家に着いたら、冷蔵・冷凍の物から先にしまう
重い物やかさばる物こそ、次に紹介する「行かずに済ませる」方法に向いています。
インニュートラルの保冷エコバッグは、タイベックという素材の折りたたみ式で、Mサイズは容量27L・幅42cm×高さ28cm×マチ23cmです。同じページで容量17LのSサイズや、ナイロンのMA-1モデルも選べますが、レジかご用の形はMサイズのほうです。
内側がアルミの保冷バッグなら、アロマルームのレジカゴバッグもあります。表地はポリエステルで、大容量タイプは約25L、耐荷重は約20kgです。水洗いはできないので、汚れたら湿らせた布で拭きます。水や氷を直接入れる使い方にも向きません。
3. 行かずに済ませる
店へ行かなければ、行き帰りと持ち帰りの手間がまとめてなくなります。そのかわり、送料や受け取りの段取りなど、店で買うときにはなかった確認が増えます。
ネットスーパーとは
ネットスーパーは、スマートフォンやパソコンで注文した食品や日用品を、家まで届けてもらうサービスです。スーパーの店頭に並んでいるような、野菜、肉、魚、牛乳、冷凍食品、日用品を、まとめて注文できます。
サービスによって、近くの店から届けるものや、専用の倉庫から届けるものなどがあり、届けられる地域、届く時間、扱う品物が違います。
向いている物、向いていない物
ネットスーパーに回すかどうかは、品物ごとに決めてかまいません。迷ったら、重さと、自分の目で選びたいかどうかで分けます。
- 向いている物: 重い物、かさばる物、いつも同じ物を買う物(米、水、飲み物、調味料、洗剤、紙の製品、冷凍食品)
- 人によって分かれる物: 野菜、肉、魚(自分の目で見て選びたい人は、店で買うほうが納得できます)
全部をネットスーパーにしなくてもかまいません。「重い物と日用品はネットで、生の物は店で」と分けるだけでも、持ち帰りの負担は軽くなります。
水なら、「自然の恵み 天然水」のように、2Lのペットボトル6本入りの箱が2つで届く物があります。軟水のミネラルウォーターです。採水地は複数あって選べず、採水地によって硬度が違います。
使う前に確かめること
送料や、注文できる最低の金額、届けられる地域は、サービスによって違い、変わることもあります。申し込む前に、それぞれの公式サイトで、次の点を確かめてください。
- 自分の住所が、届けられる地域に入っているか
- 送料はいくらか。いくら以上で無料や割引になるか
- 注文できる最低の金額はあるか
- 届く時間の枠と、その枠の空き具合(希望の時間が取れるか)
- 注文の締め切りは、届く日の何時間前か
- 品切れのとき、代わりの品が届くのか、取り消しになるのか
- 支払いの方法
- 会費がかかるか

一人暮らしでは、1回に買う量が少ないので、送料と最低の金額が合うかどうかが、続けられるかの分かれ目になります。日持ちする物をまとめて注文し、回数を月に1〜2回にする使い方もあります。
1回だけでも使える?
大手のネットスーパーは、無料の会員登録をすれば注文でき、入会金や年会費、月会費はかかりません。決まった間隔で買い続ける約束もないので、1回だけ使って、合わなければそれきりにしてもかまいません。Amazonプライムや楽天マートの応援プランのような有料の会員にならなくても、注文できます。
2026年10月25日に、各社の公式サイトで確かめた条件です。
| サービス | 会費 | 配達日を選べる範囲 | 最低注文金額 | 送料(税込) |
|---|---|---|---|---|
| イオンネットスーパー | 無料(iAEONの登録) | 当日〜翌々日 | 500円(税抜)から。店舗で違う | 店舗と地域で違う |
| 楽天マート(旧・楽天西友ネットスーパー) | 無料 | 注文した日を含む4日間 | 公式サイトで確かめられず | 330〜1,100円。一定の金額以上で無料 |
| イトーヨーカドー(ONIGO) | ふつうの会員は会費の記載なし | 注文の画面に出る日時から選ぶ | なし(7,000円未満は手数料110〜440円) | 6,000円未満は490円、6,000円以上は330円、12,000円以上は無料 |
| Amazonフレッシュ | なし(プライム会員でなくてもよい) | 当日・翌日・翌々日 | 4,000円 | プライム会員は490円(1万円以上で無料)、それ以外は690円(1万円以上で200円) |
送料や最低注文金額は、地域や時期で変わります。注文する前に、それぞれの公式サイトで確かめてください。楽天西友ネットスーパーは、今は「楽天マート」という名前です。イトーヨーカドーのネットスーパーは、2025年2月から ONIGO という会社が運営しています。
1回目は、置き配を使えないことがあります(イオンネットスーパーの「置き楽」は、初めての配達では使えません)。最初の注文は、家にいる日を選んでおきます。重くて運ぶのが大変な物や、かさばる物から頼んでみると、店で買うときとの違いが分かりやすくなります。
まとめ買いは、何日先まで予約できる?
1週間後の配達を予約できるサービスは、確かめた範囲ではありませんでした。どこも、当日から2〜3日先までの中で届く日を選びます(イオンネットスーパーの「先取り配送便」は先の便を押さえられますが、何日先までかは店舗によって違います)。1週間分をまとめて頼むなら、届けてほしい日の2〜3日前に注文します。
送料は、1回に買う金額が大きいほど安くなる仕組みです。Amazonフレッシュは1万円以上、イトーヨーカドー(ONIGO)は12,000円以上で、プライム会員や送料無料の条件に当てはまります。少しずつ何度も頼むより、まとめて1回にしたほうが、送料の負担は軽くなります。
ただし、まとめ買いには上限があります。イオンネットスーパーでは、同じ商品を6個以上買うときは、先に問い合わせが必要です。楽天マートは、商品ごとに届け日ごとの買える数の上限があります。水や米を多めに頼むときは、注文の画面で上限を見ておきます。
受け取りの段取り
届く時間に家にいる必要があるかどうかは、サービスによって違います。申し込む前に見ておきたいのが、受け取りの決まりです。
- 届く時間は、確実に家にいる時間にする(冷蔵・冷凍の物があるため)
- 玄関の前に置いてもらえるか、宅配ボックスを使えるかは、サービスと住まいによる。使いたい場合は、冷たい物の扱いと合わせて確かめる
- 届いたら、その場で品物と数を確かめ、冷蔵・冷凍の物からしまう
- 通い箱や保冷剤を返す決まりがあるかを確かめる
ほかの「行かずに済ませる」方法
届け方や受け取り方の違う方法も、ほかにあります。減らしたいのが献立を考える時間なのか、売り場を回る時間なのかで、合うものは変わります。
- 通販の定期便: 洗剤、紙の製品、飲み物など、使う量が決まっている物を、決まった間隔で届けてもらう方法です。届く間隔が合わないと、たまったり、足りなくなったりします。間隔を変えられるか、1回休めるかを確かめます
- 食材の宅配、ミールキット: 献立と食材がセットで届くサービスです。買い物に加えて、献立を考える時間も減らせます
- 店で受け取る注文: ネットで注文して、店や専用の場所で受け取る方法です。売り場を回る時間とレジの時間を減らせます
ミールキットの選び方は、次の記事で紹介しています。

1週間の流れに当てはめた例
3つの方法を、1週間の中に置いてみます。平日に働いていて、週末に時間が取れる人の例です。
- 金曜の夜: 冷蔵庫と棚の中を見て、買い物リストを作る。残っている物を使う献立を、土曜に入れる
- 土曜: 1週間分をまとめて買う。帰ったら、肉や魚のうち、後半に使う分を小分けにして冷凍する
- 日曜〜火曜: 葉物の野菜や、傷みやすい物から使う
- 水曜: 牛乳やパンなど、足りない物だけを買い足す。リストにある物だけにして、短い時間で済ませる
- 木曜〜金曜: 冷凍した肉や魚、根菜、乾物、冷凍食品を使う
- 月に1〜2回: 米、飲み物、洗剤、紙の製品を、ネットスーパーや通販でまとめて頼む

このとおりにする必要はありません。自分の休みの曜日や、帰りの時間に合わせて、曜日を入れ替えてください。大事なのは、「いつ、何を買うか」が先に決まっていることです。
暮らし方に合わせた組み合わせ
同じ方法でも、何人分を買うのか、平日に動けるのは誰なのかで、組み合わせ方は違ってきます。
一人暮らし
一人分なら、仕事帰りの寄り道と、重い物を運ぶ回数を減らすことから考えます。
- 買い物は週に1〜2回。仕事の帰りではなく、休日か、早く帰れる日に決める
- 重い物と日用品は、通販やネットスーパーで、月に1〜2回まとめて頼む
- 平日に足りなくなったときのために、冷凍食品と、日持ちする物を少し置いておく
二人暮らし・共働き
二人で暮らしていると、「どちらが行くか」「何が切れているか」の行き違いでも、時間が延びがちです。
- 週末に、1週間分をまとめて買う。または、ネットスーパーで、週末に届くように注文する
- 平日の買い足しは、1回まで。帰りが早いほうが行く
- 買い物リストを2人で共有し、なくなった物は、気づいた人が書く
買い物だけでなく、家事全体の分け方は、次の記事で紹介しています。

続けるための小さな工夫
行く日やリストを決めても、毎回ゼロから考えていては長続きしません。手間の少ない小さな習慣に置きかえておきます。
- よく買う物の一覧を作る: 毎回ゼロから考えない。一覧から選ぶ
- なくなる前に書く: 最後の1つを開けたら、リストに書く
- 買い置きの場所を決める: 場所が決まっていると、残りの数がひと目で分かり、買いすぎを防げる
- うまくいかなかった週を、責めない: 足りなくなったら、買い足せばよいだけです。回数を1回減らせた週があれば、それで十分です
アイリスオーヤマのインナーボックスは、同じメーカーのカラーボックスを横に置いたときに合わせた箱で、幅と奥行きは約27cm、高さは約27cmと約38.5cmの2種類です。前後に取っ手が付いていて、使わないときは折りたためます。手持ちの棚に入れるなら、外寸を棚の内側の寸法と比べてから選んでください。
まとめ
買い物の時間は、気合いではなく、しくみで減らします。行く日を先に決め、日持ちする物からまとめて買い、重い物やかさばる物はネットスーパーや通販に回す。3つを全部やらなくても、どれか1つで、行く回数や持ち帰りの手間は減らせます。
次の買い物の前に、いつも行く店の入口からレジまでの順に、よく買う物をスマートフォンのメモへ並べておいてください。その一覧に印を付けるだけで、毎回のリストができあがります。

