夜、洗濯機を回して、干し終わるころにはもう寝る時間。朝になってもまだ乾いておらず、取り込んだ服はソファの上に山のまま。洗濯は、洗濯機のボタンを押したあとのほうが、ずっと手がかかります。
洗濯にかかる時間を減らしたいとき、いきなり乾燥機を買う必要はありません。洗う前の置き方や、干す場所、しまい方を少し変えるだけでも、手を動かす時間は減らせます。
どこを変えると効果が出やすいかは、家によって違います。仕分けで手が止まる人もいれば、たたむ前で止まる人もいます。
洗濯は4つの工程に分けて考える
洗濯は、次の4つの工程に分けられます。
- ためる: 脱いだ服を集め、洗うまで置いておく
- 洗う: 仕分けて、洗濯機を回す
- 干す: 干して、乾くのを待つ
- しまう: 取り込み、たたみ、しまう

このうち、洗濯機が動いている時間は、ほかのことができます。時間を減らしたいのは、自分の手が取られる所です。「仕分ける」「干す」「たたむ」の3つが、それにあたります。
どの工程に手を入れるかは、次の質問で考えてみてください。当てはまる数が多い工程が、見直しどころです。
- 洗濯機の前で、色やネットの仕分けに時間がかかる(ためる)
- 洗い終わった物を、洗濯機の中に置いたままにしがち(洗う)
- 干す場所が足りず、洗濯物がくっついている(干す)
- 朝になっても乾いていないことがある(干す)
- 取り込んだ洗濯物が、たたまれないまま置かれている(しまう)
- 着る服を、洗濯物の山から探している(しまう)
ここから工程ごとに書いていきますが、全部を取り入れる必要はありません。自分がいちばん面倒に感じている工程から、1つ試してみてください。
ためる: 洗う前の仕分けをなくす
洗濯機の前で、色の濃い服と白い服を分けたり、ネットに入れる服を探したりする。この仕分けは、脱ぐときに済ませてしまうと、洗うときの手間がなくなります。
カゴを分けておく
洗濯カゴを2つ用意し、「ふだんの洗濯物」と「分けて洗う物」に分けて入れます。分けて洗う物とは、色移りが心配な服や、ネットに入れて洗うおしゃれ着などです。カゴがいっぱいになったほうから洗えば、仕分けの時間は要りません。
- 洗濯ネットは、カゴのそばに掛けておく。脱いだときにネットに入れてしまう
- 靴下は、脱いだときに左右をそろえておく
- ポケットの中身は、カゴに入れる前に出す
洗濯機の中にためない
洗濯物を、そのまま洗濯機の中に入れておく人もいるかもしれません。花王は、洗濯槽を洗濯カゴの代わりにすると風通しが悪くなり、洗濯槽の裏側にカビや菌が増えて、ニオイの原因になることがあるとしています。洗うまでは、風通しのよいカゴに入れておきましょう。
濡れたタオルをそのままカゴに入れると、ほかの洗濯物まで湿ります。花王は、早めに洗うか、洗うまで風通しのよい場所で乾かしておくことをすすめています。
洗う: 詰め込まず、時間をずらす
洗う工程そのものは、洗濯機が進めてくれます。それでも、入れる量と回す時刻しだいで、そのあとの干す手間や洗い直しの回数が変わります。
詰め込まない
回数を減らしたくて、洗濯機にぎゅうぎゅうに詰めたくなることがあります。けれども、詰め込むと汚れが落ちにくくなり、洗い直しやニオイのもとになります。
花王は、1回に洗う量の目安を、洗濯槽の7〜8分目までとしています。洗える量は機種によって違うので、洗濯機の取扱説明書で確かめてください。洗剤も、多く入れれば汚れがよく落ちるわけではありません。容器に書かれた使用量の目安どおりで足ります。
予約で、干す時間に合わせる
洗濯機に予約の機能があれば、洗い上がりの時間を、自分が干せる時間に合わせられます。
- 朝に干したい人は、起きる時間に洗い上がるように、寝る前に予約する
- 夜に干したい人は、帰る時間に洗い上がるように、出かける前に予約する
洗い終わった洗濯物は、洗濯機の中に長く置いたままにしないこと。花王も、洗濯機の中に長時間放置しないよう呼びかけています。予約の時刻は、すぐに干せる時間に合わせます。
夜や早朝に洗濯機を回すときは、集合住宅では音や振動が響くことがあります。建物の決まりや、近所への影響も考えて時間を選んでください。
洗濯槽の手入れも、遠回りのようで時短になる
洗濯槽が汚れていると、洗ったはずの服にニオイが付き、洗い直すことになります。花王は、3か月に1回を目安に、洗濯槽用の洗浄剤で掃除することをすすめています。洗浄剤を使えない機種もあるので、取扱説明書で確かめてから使ってください。
干す: 早く乾く干し方と場所
干す工程では、「干す作業そのもの」と「乾くまでの時間」の両方を短くできます。乾くのが遅いと、ニオイが出て洗い直しになることもあります。ライオンの生活情報サイトによると、部屋干しのニオイは、環境にもよりますが、干してから5時間後くらいから出ることがあります。
間隔は「こぶし1個分」
洗濯物どうしがくっついていると、その間の湿った空気が動かず、乾きにくくなります。花王がすすめる間隔は、こぶし1個分以上です。
干す場所が足りないときは、1回に洗う量を減らすほうが、結果として早く片づきます。
角ハンガーは「アーチ干し」
洗濯ばさみがたくさん付いた角ハンガー(ピンチハンガー)では、干す順番で乾く速さが変わります。ライオンは、両端に長い物、中央に向かって短い物を吊るす「アーチ干し」を紹介しています。下から見ると、アーチの形にすき間ができる干し方です。
同社の実験では、長い物と短い物を交互に干す方法と比べて、30分ほど早く乾きました。乾く時間は、部屋の湿度や温度によって変わります。
- 両端: バスタオル、長袖のシャツ、ズボンなどの長い物や厚手の物
- 中央: 下着、靴下、ハンカチなどの短い物や薄手の物
乾きにくい服の干し方
花王は、乾きにくい服の干し方として、次の方法を紹介しています。
- パーカー: 逆さにして裾を上にし、袖を広げて干す。フードが重ならないようにする
- ズボン・スカート: 裏返して、ウエストを何か所かつまみ、筒の形に広げて干す
- バスタオル: 半分に折らず、角ハンガーにじゃばらの形に留めて、布の重なりを減らす
干す場所は、部屋の中央寄り
部屋干しでつい使いたくなるのが、カーテンレールです。花王は、窓際のカーテンレールや壁際は、空気がとどまりやすく、乾くのに時間がかかるので避けるようすすめています。カーテンにカビが生えたり、レールがたわんだりするおそれもあります。
向いているのは、部屋の中央や、ドアと窓を結ぶ空気の通り道です。難しい場合は、エアコンや扇風機の風が当たる場所に干します。
風を当てる
花王によると、扇風機やサーキュレーターで洗濯物に直接風を当てると、まわりの湿った空気が入れ替わり、早く乾きます。エアコンのドライ運転や除湿機で湿度を下げるのも、効果があります。

アイリスオーヤマの PIH-32SH は、フレームも洗濯ばさみもステンレスの角ハンガーで、洗濯ばさみが32個付いています。広げたときの大きさは幅約50cm×奥行約34cmなので、干す場所にこの幅が収まるかを先に測っておくと確実です。
同じアイリスオーヤマのサーキュレーター PCF-HD15EC は、適用床面積の目安が8畳で、左右には自動で首を振り、上下の角度は手で変えます。形の違う「マカロンタイプ」や2個セットも同じページで選べるので、注文の前に「ノーマルタイプ」の単品になっているかを見ておくとよいです。
しまう: たたむ物を減らす
取り込んだ洗濯物が山になるのは、たたむ作業が面倒だからです。たたむ物そのものを減らすと、この工程は一気に軽くなります。
干したハンガーのまま、しまう
シャツや上着は、干したハンガーのままクローゼットに掛けます。ハンガーから外す、たたむ、引き出しに入れる、という3つの動作がなくなります。
この方法を取り入れるなら、干すときとしまうときに同じハンガーを使えるよう、すべりにくく、肩の形がくずれにくいハンガーにそろえておくと便利です。クローゼットに掛けられる数には限りがあるので、洗う回数の多い服から始めましょう。
そろえるハンガーの一例が、MAWAのエコノミック 40P。肩幅約40.5cm・厚さ約1.0cmで、表面に滑り止めのコーティングがしてあります。20本セットで届きます。変色や色が付くおそれがあるため、革や合皮の服には向きません。
たたまない物を決める
下着、靴下、部屋着、タオルなどは、きれいにたたまなくても困りません。
- 下着と靴下は、種類ごとの箱やカゴに、たたまずに入れる
- タオルは、二つ折りか三つ折りまでにして、重ねるだけにする
- 部屋着は、決まったカゴに入れるだけにする
「たたまない」と決めるのは、手抜きではなく、決まりごとを変えるということです。家族がいる場合は、何をたたまないことにするかを、先に話して決めておきましょう。
取り込む場所と、しまう場所を近づける
干す場所としまう場所が離れていると、運ぶ手間がかかります。部屋干しをするなら、クローゼットの近くに干す場所を作れないか、部屋を見回してみてください。取り込みながら、その場でしまえます。
1人分ずつ角ハンガーを分けて干すと、取り込んだあとに「誰の物か」を分ける手間もなくなります。
洗濯物そのものを減らす工夫
4つの工程を見直すのとあわせて、洗う物の量や種類を見直すと、どの工程も少しずつ軽くなります。暮らし方に合うものだけ、取り入れてみてください。
- バスタオルを、小さめのタオルに替える: 体を拭くタオルを小さくすると、洗濯機の中で場所を取らず、干す場所も少なくて済みます。厚みが減る分、乾きやすくもなります
- 乾きやすい素材の部屋着を選ぶ: 厚手の綿のスウェットは、乾くのに時間がかかります。次に買い替えるときに、薄手の物や、乾きやすい素材の物を選ぶと、部屋干しが楽になります
- 靴下や下着は、同じ物でそろえる: 靴下が同じ色・同じ形なら、左右を探して組にする手間がなくなります
- 洗う日を決める物をつくる: シーツやバスマットなどの大きな物は、「晴れた週末に」と日を決めておくと、ふだんの洗濯の量が安定します
買い替えをすすめるものではありません。今ある物が傷んで取り替えるときに、思い出してもらえれば十分です。
一人暮らし・共働きの回し方の例
一人暮らしの場合
洗濯物の量が少ないので、回数をまとめやすいのが利点です。ただ、ためすぎると干す場所が足りなくなります。
- 2〜3日に1回、夜に洗って部屋干しする
- 角ハンガー1つと、ハンガー数本に収まる量を、1回の目安にする
- 扇風機やサーキュレーターの風を当てて、朝までに乾かす
- シャツはハンガーのままクローゼットへ、下着と靴下はカゴへ
共働きの場合
量が多く、毎日か1日おきに洗うことになります。「誰が・いつ・どこまでやるか」を決めておくと、片方に偏りにくくなります。
- 洗う人と、干す人・しまう人を分ける(例: 夜に予約をするのは1人、朝に干すのはもう1人)
- 角ハンガーを人ごとに分け、しまうのは自分の分だけにする
- タオルは、洗う日を決めてまとめて洗う

洗濯のほかの家事も含めた分け方は、次の記事で紹介しています。

それでも足りないときは、家電に任せる
工夫をしても時間が足りないときは、乾かす工程を機械に任せる方法があります。洗濯から乾燥までを1台で行う洗濯乾燥機、浴室の乾燥機能、除湿機などです。
干す・取り込むの2つがなくなるので、効果は大きくなります。そのかわり、本体の価格、置く場所、電気代がかかります。乾燥機に入れられない服もあるので、洗濯表示を確かめる習慣も必要です。選び方と、置く前に確かめることは、次の記事で紹介しています。

まとめ
洗濯の時短で減らすのは、仕分ける・干す・たたむの、自分の手が取られる時間です。仕分けはカゴを分けて、乾く時間は間隔と風で、たたむ手間はハンガーのまましまうことで、それぞれ減らせます。全部を一度に変えなくてもかまいません。
一度に洗う量を欲張らないことが、結局いちばんの近道です。

