週末にまとめてお風呂掃除をしようとすると、床の黒ずみ、鏡の白いうろこ、排水口のぬめりと、気になる所が一度に目に入ってきます。しゃがんでこすっているうちに腰が痛くなり、気づけば休みの午前中が終わっています。
お風呂の汚れは、毎日少しずつたまっていきます。たまってから落とそうとすると、時間も力も要ります。反対に、汚れがつきにくい状態を保てれば、1回の掃除は短く、軽くなります。
毎日・週1・月1と掃除を分けるときの手がかりは、浴室を作っているメーカーが出している、お手入れの目安です。週末に1時間こすっても終わらないのは、こする力が足りないからとは限りません。
お風呂掃除に時間がかかる理由
週末にまとめてこすっても終わらないのは、汚れの性質に理由があります。落ちにくくなるしくみが分かると、どの汚れを毎日の分に回せばよいかが見えてきます。
汚れは、ためるほど落ちにくくなる
浴室には、水あか、せっけんカス、皮脂、カビ、ピンク色のぬめりなど、いろいろな汚れがつきます。パナソニックの「バスルーム お手入れ読本」は、汚れをためると簡単には落とせなくなり、時間も手間もかかると説明しています。
例えば、鏡や水栓の白い汚れ(水あか)は、水道水に含まれるカルシウムなどが積み重なってできます。ついたばかりなら水で流して拭けば済みますが、重なって固まると、洗剤でこすっても落ちにくくなります。
カビは、湿気と汚れがそろうと増える
同じ資料では、カビは温度・湿度・栄養源の3つがそろうと増えるとしています。栄養源になるのは、せっけんカスや人の皮脂などの汚れです。
浴室は、入浴のたびに温かく、湿った状態になります。そこに汚れが残れば、カビが育ちやすい条件がそろいます。
時短のこつは「1回にやることを小さくする」
パナソニックの資料は、汚れ具合と頻度によってスケジュールを立てれば、効率よく掃除ができるとしています。
全部の場所を、同じ頻度で掃除する必要はありません。毎日やること、週に1回でよいこと、月に1回でよいこと、と分けておけば、1回の掃除は小さく済みます。
頻度で分ける、お風呂掃除の4段
パナソニックの「お手入れ頻度のめやす」をもとに、一人暮らしの浴室でやることを4つの段に分けると、次のようになります。

| 頻度 | やること |
|---|---|
| 毎日(入浴後) | 壁・床・ドアをシャワーで流す、浴槽をなで洗い、排水口の髪の毛を捨てる、水気を拭いて換気 |
| 週1回 | 排水口の部品を外して洗う、浴槽の排水口のゴミを取る、水栓の水あかを落とす、棚の物を出して洗う |
| 月1回 | パッキンやシーリング(継ぎ目)の表面のカビを落とす |
| 数か月に1回 | 追いだきの配管を洗う、エプロンを外せる浴槽は下を洗う |
同社は、この表はあくまで目安で、汚れの状態によっては早めのお手入れをすすめています。浴室の作りは住まいによって違うので、部品の外し方などは、浴室の取扱説明書で確かめてください。
毎日: 入浴後の流れ
パナソニックの資料は、「入浴後の汚れ落としと換気が何より大切」としています。最後にお風呂に入った人が、出る前に次の順で済ませると、汚れとカビの元が残りにくくなります。

1. 壁・床・ドアをシャワーで流す
壁とドアは、入浴後に水のシャワーで汚れを流します。体を洗ったときに飛んだせっけんの泡や皮脂を、乾く前に落としておくのが目的です。
上から下へ流すと、汚れがまとめて排水口に集まります。
2. 浴槽は、お湯を抜いたらスポンジでなで洗い
同社の資料では、浴槽は入浴後にスポンジでやさしくなで洗いする、としています。強くこする必要はありません。毎日なでておけば、汚れが固まる前に落とせます。
一人暮らしでシャワーだけの日が多い人は、湯船を使った日だけで構いません。
マーナの柄付きバススポンジは、ヘッドの角度が変わる柄の先にスポンジが付いていて、汚れたりへたったりしたスポンジ部分だけを専用のリフィルに取り替えます。塩素系漂白剤や70℃以上のお湯は使えないので、カビ取り剤を使う掃除には向きません。
3. 排水口の髪の毛を捨てる
排水口のヘアキャッチャー(髪の毛を受ける部品)にたまったゴミや髪の毛は、毎日取り除くのが目安です。髪の毛やゴミがたまったままだと、カビやぬめりが出てきます。
ヘアキャッチャーに使い捨てのネットをかぶせたり、目皿と取り替えて置くタイプのネットを使ったりすると、ネットごと捨てられて、手で触れずに済みます。ネットが使えるかどうか、排水の流れが悪くならないかは、排水口の形に合わせて確かめてください。
目皿と取り替えて置くタイプなら、ボンスター販売のトリトリeasyネットがあります。備え付けの目皿を外して排水口へ置く、使い捨てのネットです。角型の目皿や、シートを乗せる段差のない排水口には使えません。ゴミがいっぱいにならなくても、1か月以内には取り替えます。
4. 水気を拭き取って、換気する
壁とドアは、シャワーで流したあと、水分を拭き取ります。鏡や水栓も、シャワーをかけてから乾いた布で拭くと、水あかがつきにくくなります。
全部を拭く時間がないときは、水切りワイパー(スクイージー)で壁と鏡の水を下に落とすだけでも、残る水気は減ります。最後に換気扇を回して、湿気を外に出します。換気のしかたは、浴室の作りや換気扇の機種で違うので、取扱説明書の案内に従ってください。
山崎実業の tower の水切りワイパーは、ワイパー部分がシリコーン製で、マグネットか引っ掛けかのタイプと、S・M・Lのサイズを選んで買います。マグネットタイプはスチールの壁に付ける物で、タイルや木、ガラスの壁、鋼板を使っていない浴室の壁には付きません。引っ掛けタイプなら、直径約2.8cm以下のタオルバーなどに掛けておけます。
週1回: 排水口と、たまりやすい所
週1回の分は、部品を外したり物をどかしたりしないと届かない所です。排水口の中、浴槽の排水口、水栓のまわりと棚が、これに当たります。
排水口の部品を外して洗う
週に1回は、排水口のカバーとヘアキャッチャーに加えて、その下の部品(封水筒)も外して洗います。パナソニックの資料では、浴室用の中性洗剤をスポンジや歯ブラシにつけて洗い流す、としています。
戻すときは、部品を確実に締め、水を流して排水口の中に水がたまるようにします。この水が、下水のにおいを止めています。長く留守にしてこの水が減り、においが上がってきたときは、水を足します。排水トラップの本体は、緩めてはいけない部分です。部品の形と外し方は、機種によって違います。
浴槽の排水口と、風呂ふた
浴槽の排水口にたまったゴミや髪の毛も、週に1回取り除きます。風呂ふたを使っている人は、細かいすき間の汚れを歯ブラシで落とします。
水栓と棚
水栓のせっけんカスや水あかは、浴室用の中性洗剤で洗います。棚は、置いている物をいったん出して、スポンジでこすり洗いします。
シャンプーやボディソープの容器の底は、毎日拭いておくのが目安です。容器の底についたぬめりが、棚の汚れのもとになります。置く物の数を減らしておくと、出し入れの手間も小さくなります。
月1回と、数か月に1回
継ぎ目のカビ、追いだきの配管、浴槽の下は、毎週でなくてよい代わりに、間があくほど落とすのに手間がかかる所です。
月1回: 継ぎ目のカビを、早めに落とす
浴槽・床・壁、ドアや窓の継ぎ目にあるシーリング材やパッキンは、カビが生えやすい所です。パナソニックの資料では、月に1回、表面についたカビを浴室用の中性洗剤で落とす、としています。
奥まで黒くなってしまったカビには、カビ取り用の洗剤を使います。カビ取り用の洗剤には、塩素系の物があります。塩素系の物は、酸性の洗剤と混ぜたり、続けて使ったりしないこと、十分に換気することなど、使い方の注意は、次の記事で紹介しています。

数か月に1回: 追いだきの配管と、浴槽の下
追いだきのできる浴槽は、風呂釜の循環口のフィルターを週に1回洗い、3か月に1回を目安に、風呂釜用の洗浄剤で配管を洗います。
浴槽の側面のカバー(エプロン)を外せる浴槽は、半年に1回、浴槽の下を洗うのが目安です。ただし、外せない作りの浴槽や、外し方が分からない場合は、無理に外さないでください。
年末の大掃除で浴室を洗う人は、この「数か月に1回」の分を、そこに合わせるのも1つの方法です。大掃除の場所と順番の決め方は、次の記事で紹介しています。

毎日の流れを続けやすくする工夫
入浴後の流れは、続けてこそ意味があります。面倒に感じない形にしておくことも、時短の一部です。
床と棚に置く物を減らす
シャンプーやボディソープの容器、洗顔料、掃除の道具と、浴室に置く物が増えるほど、流す・拭く・どかす手間が増えます。容器の底がぬれたままだと、ぬめりの元にもなります。
- 使っていない物は、浴室の外にしまう
- 床に直接置かず、棚やフックに置く
- 同じ種類の物は1つにまとめる(使いかけを何本も置かない)
置く物が少なければ、週1回の棚の掃除も、物を出して戻すだけで済みます。
道具は、浴室の中の手の届く所に
水切りワイパーやスポンジを洗面所の棚にしまっていると、取りに行く一手間で「今日はいいか」となりがちです。浴室の中に吊るしておけば、シャワーを止めたその場で手に取れます。
吊るす道具は、使ったあとに水を切っておくと、道具そのもののぬめりやカビを防げます。
入浴の流れに組み込む
「掃除の時間」を別に作ろうとすると、後回しになります。体を洗い終えて、浴室を出る前の流れに入れるほうが続きます。
例えば、「シャワーで体の泡を流したら、そのまま壁と床を流す」「湯船のお湯が抜けたら、そのままスポンジでなで洗いする」のように、すでにしている動きにつなげると、覚えておく手間がいりません。
浴室を傷めない道具の選び方
時短を急ぐと、強い洗剤や固い道具で一気に落としたくなります。けれど、浴室の素材を傷めると、そこに汚れが入り込んで、かえって落ちにくくなります。
パナソニックの資料は、部位によって、次のような注意をあげています。
- 研磨剤の入った洗剤やスポンジは使わない(表面を傷つける)
- ナイロンたわしやメラミンスポンジを使わない部分がある
- アルコールやオレンジオイル系の洗剤が、素材を傷めることがある
- 「中性」の洗剤を使うよう指定されている部分がある

賃貸の部屋では、浴室も借りている物です。傷をつけると、退去のときに問題になることもあります。初めて使う洗剤や道具は、目立たない所で試してから使います。
自分で落とせない汚れの見分け方
掃除を続けていても、自分の手では元に戻せない状態があります。交換や業者に任せるかどうかは、カビが奥まで入っているか、継ぎ目にすき間があるか、どれだけ時間がかかるかで見分けます。
カビ取り剤でも落ちないカビ
パナソニックの資料は、カビが奥まで入り込んでしまうと、完全には取り除けないとしています。カビ取り用の洗剤でも落ちないガンコな汚れには、パッキンの交換やシーリング材の取り替えをすすめています。
継ぎ目にすき間ができている
シーリング材は、使っているうちにやせて、すき間ができることがあります。同社は、すき間ができたり、はがれたりすると水漏れの原因になるとして、取り替え(有償の修理)を案内しています。
賃貸の部屋で、継ぎ目のすき間や、はがれに気づいたときは、自分で埋めようとせず、まず管理会社や大家さんに伝えます。
時間をかけても終わらないときは、プロに頼む
カビが広がってしまった、長く掃除できていなかった、といった浴室は、自分で全部を落とそうとすると、何時間もかかることがあります。そのようなときは、浴室のクリーニングを専門の業者に頼み、きれいになった状態から、毎日の流れを始めるという方法もあります。
プロに頼む範囲と自分でする範囲の線引きは、エアコン・換気扇の掃除を例に、次の記事で紹介しています。

まとめ
お風呂掃除が長くなるのは、汚れをためてから一度に落とそうとするからです。毎日・週1回・月1回・数か月に1回と分け、毎日の分を入浴後の流れに入れてしまえば、1回の掃除は小さく済みます。
今夜は、浴室を出る前に、水のシャワーで壁とドアを上から下へ流し、ヘアキャッチャーの髪の毛を捨てて、換気扇を回すところまで。それを続けると、週末にしゃがんでこする時間を減らしやすくなります。

