平日は帰ってきて夕飯を作るだけで精いっぱいです。週末は、たまった洗濯と掃除で半日が終わります。
知らない人を家に入れるのは落ち着かない。散らかった部屋を見せるのは恥ずかしい。何をどう頼めばよいのかも分からない。「家事代行」という言葉は知っていても、自分が頼むものだと思えない理由は、いくつもあります。
その多くは、家事代行がどんなサービスなのかが見えていないことから来ています。中身が分かれば、頼むか頼まないかを、落ち着いて決めやすくなります。では、家に来たスタッフは、実際に何をしてくれるのでしょうか。
家事代行とは、ふだんの家事を代わりにやってもらうサービス
知らない人に家を任せる前に分かっておきたいのは、何を頼めて、何を使い、いくらかかるのかです。
頼めるのは「日々の家事」
家事代行は、スタッフが家に来て、ふだんの家事を代わりに行うサービスです。業界団体の全国家事代行サービス協会は、「日常的なお掃除や洗濯、お料理など、ご家庭の家事をお手伝いするサービス」と説明しています。
頼めることの例は、次のとおりです。
- 掃除: 床の掃除機がけ、水回り(台所・浴室・トイレ・洗面所)の掃除、ほこり取り
- 洗濯: 洗う、干す、取り込む、たたむ、アイロンがけ
- 料理: 夕食作り、数日分の作り置き
- 片付け: 物を元の場所に戻す、整理する
どこまで頼めるかは、会社ごとに決まっています。買い物や、子どもに関わることなどは、会社によって扱いが違うので、申し込む前に確かめてください。
道具は、家にある物を使う
同協会の説明では、掃除用具や洗剤は、基本的に、その家でふだん使っている物を使います。特別な機材を持ち込んで、落ちない汚れを落とす、というサービスではありません。
「自分でもできるけれど、時間と体力が足りない家事」を、代わりにやってもらう。家事代行の役目は、そこにあります。
料金は、時間で決まる
料金は、同協会によると、ほとんどの会社が1時間単位で単価を決めていて、「時間単価×時間」で計算します。
つまり、頼むのは「この作業」ではなく「この時間」です。2時間なら2時間のうちに、優先したい順に進めてもらう形になります。金額は、会社や地域、定期か1回だけか、といった条件で変わります。
ハウスクリーニング・家政婦との違い
家事代行と似た言葉に、ハウスクリーニングと家政婦があります。3つは、してくれることも、契約の形も違います。

| 家事代行 | ハウスクリーニング | 家政婦 | |
|---|---|---|---|
| してくれること | 日々の掃除・洗濯・料理 | エアコンや換気扇の内部など、決まった場所の専門的な掃除 | 日々の家事 |
| 道具・洗剤 | 家にある物 | 専用の機材と洗剤 | 家にある物 |
| 契約の相手 | 会社 | 会社 | 家政婦本人(紹介所が紹介) |
| 頼み方 | 時間単位。定期が中心 | 1回ごとが中心 | 本人との取り決め |
ハウスクリーニングは、掃除の専門
同協会の説明では、ハウスクリーニングは、専門的な技術を持ったスタッフが、エアコンや換気扇の内部など限られた場所を、専用の機材や洗剤で掃除するサービスです。日々の掃除では落とせない汚れを落とせる一方、料理や洗濯は頼めません。
- 毎週の掃除を軽くしたい → 家事代行
- エアコンの内部や、こびりついた換気扇の油を落としたい → ハウスクリーニング
年末の大掃除で、どこを自分でやり、どこを人に頼むかの決め方は、次の記事で紹介しています。

家政婦とは、契約の形が違う
家事代行と家政婦は、してくれることは似ています。違うのは、誰と契約するかです。
同協会の説明では、家事代行は、会社と雇用契約を結んだスタッフが家に来ます。利用する人が契約する相手は、会社です。
- スタッフを替えてほしいときは、会社に頼める
- ほとんどの会社が損害賠償保険に入っていて、作業中に物がこわれたときは、補償される
一方、家政婦は、紹介所などから紹介を受けて、利用する人と家政婦本人が、直接、契約を結びます。要望や不満は本人に直接伝えることになり、物がこわれたときは、家政婦本人の責任になります。
どちらがよいというものではありません。「間に会社が入るかどうか」が違う、と覚えておくと、選ぶときに迷いません。
頼む前に決める5つのこと
申し込みのページを開く前に、次の5つを決めておくと、話が早く進みます。

1. いちばん手放したい家事を、1つ決める
「全部お願いしたい」と思っても、時間には限りがあります。まず、なくなったら一番楽になる家事を1つ選びます。水回りの掃除、作り置き、洗濯物をたたむ、など。
2. 回数と時間を決める
どのくらいの間をあけて来てもらい、1回に何時間頼むか。この2つは組み合わせで決めます。
- 毎週、隔週、月に1回、1回だけ
- 1回あたり何時間か
はじめは、少ない回数で試して、あとから増やすほうが続けやすいでしょう。
3. 家にいるか、留守にするか
家にいる間に来てもらう方法と、留守の間に来てもらう方法があります。留守のときの鍵の扱いは、会社によって違います。
4. 入ってほしくない場所、触ってほしくない物を決める
寝室には入らない、机の上の書類は動かさない、など。先に決めておくと、頼むほうも、頼まれるほうも楽になります。
5. 予算の上限を決める
月にいくらまでなら、無理なく続けられるか。時間で料金が決まるので、予算から、頼める時間が逆算できます。
会社を選ぶときに確かめること
1時間の料金が安くても、自分に合う会社とは限りません。料金の中身や補償、第三者の認証、試しに頼めるプランの有無まで並べると、候補がしぼれます。
料金のほかに見る点
1時間あたりの料金だけで比べると、あとで思わぬ出費が出ることがあります。申し込む前に、次の点を確かめます。
- 料金に含まれるもの: 交通費、スタッフの指名、鍵の預かりなどに、別の料金がかかるか
- 最低の利用時間: 1回あたり、何時間から頼めるか
- キャンセルと変更: いつまでなら無料で変えられるか。キャンセル料はいくらか
- 定期の契約: やめたいとき、休みたいときの手続き
- もしものとき: 物がこわれたときの補償(損害賠償保険に入っているか)
- スタッフ: 毎回同じ人が来るか。替えてほしいときに頼めるか
- 住んでいる地域: 自分の家が、サービスの対象の地域に入っているか
どれも、会社の公式サイトの「料金」「よくある質問」「利用規約」に書かれています。分からない点が残ったら、申し込む前に問い合わせれば済みます。

第三者の認証という目印
家事代行には、「家事代行サービス認証」という制度があります。全国家事代行サービス協会と日本規格協会が行う第三者の認証で、経済産業省の事業をきっかけに作られました。
この認証は、次の3つの点から、会社のサービスを評価します。
- 人や物への事故を防ぐ取り組みがあるか(安全・安心)
- 家事の仕上がりが、一定の水準にあるか
- 対応のよさ、感じのよさがあるか
認証を受けた会社の一覧は、同協会のサイトで見られます。認証がないからよくない会社だ、ということではありませんが、はじめて選ぶときの目印の1つになります。
まずは1回、試してみる
説明を読むだけでは、相性は分かりません。1回だけ頼めるプランや、お試しのプランがあれば、それで様子を見るのが近道です。
CaSy(カジー)も候補の1つです。1回目に何を頼むかを先に決めておくと、公式サイトにある頼める内容や料金と照らし合わせるのも早く済みます。
申し込みから、初回までの流れ
会社によって違いますが、おおよそ次のように進みます。
- 申し込む: 公式サイトやアプリで、住所、希望の日時、頼みたい内容を入力する
- 内容を決める: 電話や訪問、またはアプリの画面で、頼む内容と時間を決める
- スタッフが決まる: 担当のスタッフと、訪問の日時が知らされる
- 初回の作業: はじめに、頼みたいことと、家のことを伝える。終わったら、仕上がりを一緒に見る
- 次回に向けて: 気になった点を会社に伝え、内容を調整する
初回に伝えること
初回のはじめの数分で、次のことを伝えると、あとが楽です。
- 優先したい順番(「時間が足りなければ、ここまででよい」も伝える)
- 掃除用具と洗剤の置き場所
- 使ってほしくない洗剤、素材に気をつけてほしい物
- ごみの分け方と、出す場所
- 入らない部屋、触らない物
口で伝えるのが苦手な人は、紙に書いて貼っておく方法もあります。
来る前に、片付けておく必要はある?
「来てもらう前に、掃除しておかないと」と考えがちです。けれども、それでは頼む意味が薄れます。
準備は、これだけで足ります。
- 貴重品や、見られたくない書類を、しまっておく
- 床に置いた物のうち、動かしてほしくない物を伝える
- 掃除用具と洗剤を、出しやすい所にまとめておく
暮らし方別の、頼み方の例
同じ家事代行でも、一人暮らしと共働きでは、頼む家事も回数も変わってきます。自分の暮らしに近いほうを、最初の頼み方のたたき台にしてください。
一人暮らし
一人だと毎日の家事は回せても、週末にたまった掃除で休みが削られがちです。
- 頼む内容: 水回りの掃除と、床の掃除機がけ
- 回数: 月に1〜2回
- ねらい: 週末の半日を、休みに戻す
毎日の家事は自分でこなし、たまりやすい所だけを任せる形です。仕事が忙しい月だけ頼む、という使い方もできます。
共働き
共働きの家では、時間が足りないことに加えて、家事が夫婦のどちらかに偏ることも悩みの種になります。
- 頼む内容: 平日の夕食の作り置き、または週末の掃除
- 回数: 週に1回、または隔週
- ねらい: 夫婦のどちらかに偏った家事を、外に出す
「どちらがやるか」でもめていた家事を、まるごと任せると、分担の話がしやすくなります。家事を減らす・まとめる・分ける・任せる、という考え方は、次の記事で紹介しています。

料理の負担を減らしたい人には、家事代行のほかに、材料とレシピが届くミールキットという方法もあります。届き方の違いと選び方は、次の記事で紹介しています。

限られた時間を、上手に使ってもらうコツ
料金は時間で決まるので、同じ2時間でも、頼み方しだいで進む量が変わります。
- 頼む家事をしぼる: 掃除も料理も洗濯も、と広げるより、1〜2種類にしぼるほうが、仕上がりに満足しやすくなります
- 場所をまとめる: 水回りなら水回りだけ、というように、近い場所をまとめて頼みます
- 床の物を減らしておく: 床に物が多いと、動かすだけで時間が過ぎます。カゴに入れておくだけでも違います
- 料理は、材料と道具を先に出しておく: 何がどこにあるかを探す時間を、作る時間に回せます
- 終わりの10分で確かめる: 仕上がりを一緒に見て、次回に変えたい点をその場で伝えます
目指すのは「がんばって準備する」ことではなく、「迷う時間をなくす」こと。それなら無理なく続けられます。
続けるための見直し
何回か頼んだら、次の点を見直します。
- 頼んだ時間は、足りているか、余っているか
- 頼む家事は、今のままでよいか
- 月の費用は、決めた予算に収まっているか
合わないと感じたら、内容を変える、回数を減らす、会社を替える、やめる。どれを選んでもかまいません。契約のことで困ったときは、消費者ホットライン(局番なしの188)に相談できます。
まとめ
家事代行は、ふだんの家事を、家にある道具を使って、時間単位で代わりにやってもらうサービスです。専門の掃除ならハウスクリーニング、本人と直接契約するなら家政婦。この違いを押さえておけば、頼む先を取り違えません。
決めきれない2社が残ったら、1回だけ頼めるプランやお試しのプランがあるほうから試し、相性を見てから選んでください。

