朝の洗面所で、歯ブラシのコップの底がぬるぬるしている。ドライヤーを出すたびに、からまったコードをほどいている。玄関では、留守中に届いた荷物の不在票がたまり、段ボールが玄関に置きっぱなしになっている。洗面所と玄関は、毎日何度も使う場所だからこそ、「ちょっと面倒」が積み重なりやすい場所です。
こうした小さな手間は、便利グッズを1つ取り入れるだけで減らせることがあります。ただ、選び方を間違えると、「貼ったフックがすぐ落ちた」「置き配バッグをマンションの共用廊下に置けなかった」といった失敗につながりかねません。
毎日の「ちょっと面倒」は、がまんし続けなくても大丈夫です。どの動作で手間がかかっているかが分かれば、自分に合うグッズは選びやすくなり、買ってからの失敗も減らしやすくなります。歯をみがく、髪を乾かす、荷物を受け取る。手間が隠れているのは、こうした毎日の動作の中です。
洗面所と玄関の「ちょっと面倒」はどこで起きる?
便利グッズを選ぶときは、まず、その場所でどんな動作をしているか、どこで手間がかかっているかを考えると、必要なグッズが見えてきます。

- 歯をみがく: 歯ブラシ立てやコップの底に水がたまり、ぬめりやすい
- 髪を乾かす: ドライヤーの出し入れやコードの片付けが面倒
- 洗面台の下から物を出す: 排水管が邪魔で奥の物が取り出しにくい
- お風呂上がりに体をふく: バスマットが乾きにくい
- 荷物を受け取る: 留守中に届いて再配達の手配が必要になる
- 荷物を開ける: カッターを探す、段ボールが玄関にたまる
- 雨の日に帰ってくる: 濡れた傘の水滴で玄関の床が濡れる
すべてを一度にそろえる必要はありません。毎日「面倒だな」と感じている動作から、1つずつ取り入れるのがおすすめです。
グッズを選ぶ前の確認点
洗面所や玄関のグッズは、壁や扉に取り付けるものや、決まったスペースに置くものが多くあります。買う前に、次の点を見ておくと失敗が減ります。
- 取り付ける面の素材: フックやホルダーは、タイル、プラスチック、ステンレス、スチール(鉄)など、取り付けられる面が決まっているものがほとんどです。壁紙やザラザラした面には貼れない製品も多いため、商品の説明で対応する面を確かめます
- 耐荷重: 掛けたい物の重さが、フックやホルダーの耐荷重を超えないか確認します
- 置き場所のサイズ: 洗面台の下や玄関に置くものは、幅・奥行き・高さを測ってから選びます。扉の開閉や、人が通るスペースも考えに入れます
- 賃貸・マンションのルール: 壁に穴をあけるものや、共用部分に置くものは、賃貸の契約やマンションの管理規約で認められているかを、取り付ける前に確認しておきます

賃貸で壁に穴をあけるときの考え方は、次の記事で紹介しています。

洗面所の便利グッズ
洗面所で手間が起きやすいのは、歯ブラシ、ドライヤー、洗面台の下、バスマットの4つです。どれも、取り付ける面や置く場所の寸法が合うかどうかで、選べる物が変わります。
歯ブラシホルダー(浮かせるタイプ)
コップに歯ブラシを立てておくと、底に水がたまって、ぬめりや汚れの原因になりがちです。フィルムフックやマグネットで壁に取り付け、歯ブラシを1本ずつ吊るしたり挟んだりするタイプのホルダーを使うと、水が切れやすく、コップを洗う手間も減らせます。家族の人数分を並べられるタイプや、歯みがき粉やフロスも一緒に掛けられるタイプもあります。
フィルムフックタイプなら、取り付ける面が合うかどうかが大事です。たとえば山崎実業は、フィルムフックを取り付けられる面として「フィルムよりも大きい、光沢のある平らな油染みしない面(タイル・プラスチック面・ステンレス・冷蔵庫や洗濯機などの金属塗装面)」を挙げています。ザラザラした面や汚れのある面には貼れないため、貼る前に面をきれいに拭き、説明書に書かれた時間を置いてから物を掛けるようにしましょう。
山崎実業の差し込み式の歯ブラシ&チューブホルダーは、幅4cmのホルダーが2個入ったセットです。厚さ2〜8.5mmの物を下から差し込むと、中のシリコーンの部品が挟んで支えます。耐荷重は切り込み1つあたり50gなので、歯ブラシや歯間ブラシのような軽い物に向いています。
ドライヤーホルダー
ドライヤーを引き出しや棚にしまっていると、使うたびに出し入れが必要になります。洗面台の棚の下や、収納扉、壁などに取り付けるドライヤーホルダーを使えば、使ったらそのまま掛けて戻せます。
ここで気をつけたいのが、電源コードの扱い方です。製品評価技術基盤機構(NITE)は、ドライヤーの電源コードが使用時に繰り返し折り曲げられたり、保管時に本体に強く巻き付けられたりすると、コードの内部で断線し、スパークや発火などの事故につながることがあると注意を呼びかけています。
そのため、ドライヤーホルダーは、コードに負担がかからないかどうかで選びます。
- コードを本体に巻き付けずに掛けられるか: 本体だけを掛け、コードは下に垂らしたり、別のフックにゆるく掛けたりできるタイプなら、コードに負担がかかりにくくなります
- コードを掛けるフックがついているか: コード用のフックがあるタイプなら、コードを強く巻かずにまとめられます
- ドライヤーの形に合うか: 持ち手のあるタイプ、T字型など、ドライヤーの形によって合うホルダーが異なります
また、NITEは、スイッチを入れても電源が入らない、使用中に温度や風の強さが不規則になるなどの不具合がある場合は、使用を中止するよう呼びかけています。いつもと違うと感じたら、無理に使い続けないようにしましょう。
山崎実業のドライヤーハンガーは、洗面台の収納扉の上に引っ掛けて使う物で、電源コードを掛けるホルダーが別に付いています。掛けられる扉は厚さ約1.4〜2cmで、扉の上に約3mm以上のすき間が要るので、買う前に扉を測っておきます。ドライヤー側の耐荷重は約1kgです。
洗面台下のラック(排水管をよけるタイプ)
洗面台の下の収納は、中央に排水管が通っていることが多く、物を置きにくい場所です。排水管をよけて置けるコの字型のラックや、幅を伸び縮みさせて調整できるラックを使うと、空いているスペースに棚を作れます。
選ぶときは、洗面台下の内側の幅・奥行き・高さに加えて、排水管の位置と太さも測っておきます。扉の内側に出っ張りがある場合は、扉を閉めたときにラックが当たらないかも確認が必要です。洗面台の下は湿気がこもりやすいため、通気性のあるラックや、汚れても拭きやすい素材のものが向いています。
Belcaの洗面下フリーラック(MTS-EX)は、幅を約50〜75cmの間で伸ばして使う棚で、奥側に柱がないため、組み立てたまま排水管をよけて置けます。奥行きは30.3cm、高さは30.9cm。棚の高さは3cmきざみで変えられ、耐荷重は約5kgです。
バスマット(珪藻土製品は回収情報を確認)
お風呂上がりに使うバスマットは、乾きにくいと、湿ったままになって衛生面が気になります。吸水性の高い布製のバスマットは、洗濯機で洗えるものを選んで、こまめに洗って乾かすと清潔に保ちやすくなります。
珪藻土のバスマットを使っている人は、回収の対象製品でないかを確認しておきましょう。国内で販売された珪藻土のバスマットやコースターの一部に、石綿(アスベスト)が基準を超えて含まれていたことが分かり、ニトリやカインズなど複数の事業者が自主回収を行っています。厚生労働省や自治体によると、通常の使い方をしている限り石綿が飛び散るおそれはありませんが、削ったり割ったりすると飛び散るおそれがあります。
- 削らない・割らない: 珪藻土のバスマットは、吸水性が落ちたときに紙やすりで表面を削る手入れ方法が紹介されていることがあります。対象製品かどうか分からない場合は、削る前に販売元の情報を確認しましょう
- 対象製品かを確認する: 対象製品は、各メーカー・販売者のホームページや問い合わせ窓口で確認できます
- 心配な場合は封をして保管する: 横浜市などの自治体は、心配な場合はビニール袋などに入れてテープでしっかりと封をし、メーカー等の回収まで保管するよう案内しています。自治体の通常のごみとしては出さないよう注意が必要です
山崎産業のSUSU 抗菌ストロングWは、ポリエステル100%のマイクロファイバーでできた布のバスマットで、抗菌防臭加工のSEKマークが付いています。洗濯機で洗えますが、ドラム式の洗濯機には対応していません。大きさは35×50cmから55×80cmまで、4つから選べます。
玄関の便利グッズ
玄関の「面倒」は、荷物の受け取りと開封、それに雨の日の傘に集まっています。共用廊下に置く物は、建物のルールも選ぶときの条件に入ります。
置き配バッグ・宅配ボックス
留守中に届いた荷物の再配達を減らせるのが、置き配バッグや宅配ボックスです。置き配バッグは、使わないときは小さくたためる袋状のもので、玄関のドアノブなどにワイヤーで固定して使うタイプが多く見られます。宅配ボックスは、玄関前に置いたり壁に取り付けたりする箱型のもので、鍵やダイヤル錠で荷物を保管できるタイプもあります。
選ぶときは、物の大きさより先に、置いてよい場所かどうかから確かめます。
- 置き場所のルール: マンションやアパートの共用廊下に物を置くことは、管理規約で制限されている場合があります。置き配バッグや宅配ボックスを置いてよいか、事前に管理会社や管理組合へ問い合わせておきます
- 固定・施錠の方法: 持ち去りを防ぐため、ドアノブや柱にワイヤーで固定できるか、荷物を入れたあとに施錠できるかを確認します
- サイズと耐荷重: よく受け取る荷物の大きさに合うかどうか。飲み物のケースなど重い荷物が多いなら、耐荷重も条件に入ります
- 雨への強さ: 屋外に置く場合は、防水・撥水の素材か、雨が吹き込みにくい構造かも大切です
- 配送会社の対応: 置き配の指定方法は、配送会社や通販サイトによって異なります。使いたい配送会社や通販サイトで、置き配バッグや宅配ボックスを指定できるかを確かめておきます。オートロックのマンションでは、置き配に対応しているかどうかも配送会社や建物によって異なります

戸建て住宅向けには、地面や壁に固定するタイプの宅配ボックスもあります。国土交通省は、宅配ボックスの設置に関する支援策の一覧を公開しているので、設置を考えている場合は、住んでいる地域で使える制度がないか確認してみるのもよいでしょう。
OKIPPAの置き配バッグは、広げると容量57L(約70×66cm)、たたむと約13×13cm・厚さ5cmになる、玄関に吊るして使うバッグです。玄関に固定する専用のロックと南京錠、盗難防止のワイヤーが付いています。撥水加工ですが防水ではなく、生ものやクール便の荷物には向きません。
荷物を開けるときの道具(開封グッズと段ボールの置き場所)
荷物を受け取ったあと、カッターやはさみを探したり、開けた段ボールを玄関に置きっぱなしにしたりしていないでしょうか。玄関や、荷物を開ける場所の近くに、次のような道具をまとめておくと、受け取ってから片付けるまでの流れがスムーズになります。
- 段ボール用のオープナー: 刃の出る部分が小さく、テープだけを切りやすい形の開封用カッターは、中身を傷つけにくいのが特徴です。玄関ドアがスチール製の場合は、マグネットで扉に貼っておけるタイプもあります
- 宛名を隠すスタンプ: 伝票の氏名や住所を消してから捨てたい場合に使えます
- 段ボールの一時置き場: 開けた段ボールをたたんで立てておけるスタンドや、ゴミ出しの日までまとめておけるストッカーがあると、玄関や廊下に段ボールが散らかりにくくなります
個人情報が書かれた紙の捨て方は、次の記事で紹介しています。

刃物を玄関に置く場合は、小さな子どもの手が届かない場所に置くなど、置き方にも注意が要ります。
山崎実業のマグネットセラミックダンボールカッターは、約4.7cm角の小さなカッターです。刃はさびにくいセラミックで、使わないときはキャップで隠せます。タイルや木、曲面には付けられず、刃の交換もできません。
傘の水滴対策
雨の日に帰宅すると、濡れた傘の水滴が玄関の床に広がりがちです。傘立ての下に置く水受けトレーや、吸水性のある傘立て、傘を立てたまま水を受けられるスタンドなどを使うと、床が濡れにくくなります。
濡れた傘をそのまま閉じて置いておくと、乾きにくく、においやサビの原因になることもあります。天気が回復したら、傘を開いて乾かしてからしまいます。
山崎実業のハンギングかさたて スマートは、T字のバーに長傘の持ち手を掛けて立てる傘立てで、約8本まで掛けられます。大きさは幅26.5×奥行き15×高さ97cmで、底の水受け皿には取り外せるシリコーンのマットが付いています。屋外では使えないので、置くのは玄関の中です。
置き配を使うときの注意
置き配は便利ですが、玄関前に荷物が置かれるため、使い方に注意が必要です。
置き配のルールの見直しが進んでいる
国土交通省は、宅配便の基本的なルールである「標準宅配便運送約款」を見直し、対面での受け取りに加えて、置き配や宅配ボックス、コンビニでの受け取りなどを、標準的な受け取り方法として位置づける方針を示しています(2025年11月の報道)。対面での受け取りがなくなるわけではなく、受け取り方の選択肢が広がる方向の見直しです。最新の状況は、国土交通省や各配送会社の案内で確かめてください。
盗難や破損を防ぐために
玄関の前に置かれた荷物は、取り込むまで人の目に触れる場所にあります。何を置き配にするか、どこに置いてもらうかを決めておけば、困ることは減らしやすくなります。
- 高価な物や重要な物は置き配にしない: 貴重品や、代わりのきかない書類などは、対面での受け取りや、コンビニ・宅配ロッカーでの受け取りを選ぶと安心です
- 受け取ったらすぐに取り込む: 配達完了の通知が来たら、なるべく早く取り込みます。置かれている時間が短いほど、人の目に触れる時間も短くなります
- 置き場所を具体的に指定する: 「玄関前の置き配バッグ」「メーターボックスの中」など、置き場所を具体的に指定すると、外から見えにくい場所に置いてもらいやすくなります。ただし、メーターボックスなど共用部分の設備を使ってよいかは、管理規約を確認しましょう
- 食品や生もの: 冷蔵・冷凍が必要な荷物を置き配にできるかは、配送会社や通販サイトによって扱いが異なります。注文の前に受け取り方法を確かめておくと確実です
置き配での盗難や破損が起きたときの補償は、配送会社や通販サイトによって扱いが異なります。置き配を指定する前に、それぞれの規約に目を通しておくと、いざというときに慌てません。
まとめ
洗面所と玄関のグッズは、手間がかかっている動作から選び、取り付ける面の素材と耐荷重、置き場所のルールを確かめてから買うと、失敗しにくくなります。
珪藻土のバスマットを使っているなら、今日のうちに販売元のホームページで回収の対象かどうかを調べておく。置き配バッグを考えているなら、買う前に管理会社への確認が先です。

