冬の朝、カーテンを開けると、窓ガラスがびっしょりぬれている。サッシの下には水がたまり、カーテンのすそが湿っている。拭いても、次の朝にはまた同じ。気がつくと、サッシのゴムやカーテンに黒い点が出ている。
結露は、寒い季節のあいだ、毎日のように続きます。賃貸の部屋では、窓を取り替えることはできません。それでも、水滴が付く量を減らす物、付いた水滴を楽に取る物、カビにしないための物を使い分ければ、朝の手間と、カビの心配は軽くできます。
結露対策のグッズは種類が多く、「貼る物」「拭く物」「置く物」が同じ売り場に並んでいて、どれが自分の窓に合うのか見分けにくいものです。
結露はなぜ起こるのか
窓がぬれる量は、部屋の湿度と窓の冷たさで決まります。結露しやすい場所と、放っておいたときに困ることも知っておくと、どの対策から始めるかを決めやすくなります。
暖かい空気が、冷たい窓で冷やされる
結露は、部屋の空気に含まれている水分が、水滴になって出てくる現象です。東京都板橋区の説明によると、空気が壁や窓ガラスなどの冷たい面に触れて温度が下がると、空気の中の水分が水滴になります。部屋の湿度が60%を超えると、結露が起こりやすくなります。
冬の窓ガラスは、外の空気で冷やされています。そこに、暖房で暖まり、料理や入浴、人の息などで湿った部屋の空気が触れると、水滴が付きます。つまり、結露の量は、次の2つで決まります。
- 部屋の空気に含まれる水分の量(湿度が高いほど、結露しやすい)
- 窓の冷たさ(窓が冷えているほど、結露しやすい)
窓だけでなく、部屋の隅や押し入れにも起こる
結露が起こるのは、窓だけではありません。板橋区や札幌市は、起こりやすい場所として、次のような所を挙げています。
- 換気の悪い押し入れ
- 部屋の隅(空気がよどみ、暖房をしても温度が低く、湿度が高くなりやすい所)
- 家具の裏側(家具を置くと、空気の流れが悪くなります)
- 暖房をしていない部屋(札幌市は、人のいる部屋だけを暖房すると、暖かい空気が冷えた部屋に流れ込み、そこで結露が起こると説明しています)
放っておくと、カビにつながる
板橋区は、結露の水滴は建材や壁紙を傷め、カビの発生を招くと説明しています。カビは、アレルギー性の病気の原因の一つでもあります。
札幌市によると、カビが好むのは、室温が20〜25℃、湿度が70%以上の、暗い場所です。ぬれたままのサッシや、湿ったカーテンの裏は、この条件に近づきやすい所です。
結露対策は「防ぐ・取る・カビにしない」の3つで考える
結露対策のグッズは、役目で3つに分けられます。
- 防ぐ: 水滴が付く量を減らす
- 取る: 付いた水滴を、手間をかけずに取る
- カビにしない: ぬれた所を乾かし、カビを生やさない

「取る」ためのグッズだけをそろえても、水滴が付く量は変わりません。反対に、「防ぐ」ことだけを考えても、寒い日の結露をなくすのは難しいものです。3つを組み合わせて、朝の手間が少なくなる形を探します。
防ぐ: まず、部屋の湿気を減らす
グッズを買う前に、お金をかけずにできることがあります。部屋の空気に含まれる水分を減らすことです。
湿気を減らす暮らし方
札幌市は、結露を防ぐために、次のようなことをすすめています。
- 料理をしているときや、入浴のあとは、換気をする
- 加湿器を使いすぎない
- 植物や水槽を置きすぎない
- 家具と壁の間をあける
- 押し入れには、すのこを敷く
料理のときは換気扇を回し、入浴のあとは浴室のドアを閉めて換気扇を回しておきます。浴室の湿った空気を、部屋の中に流さないためです。寒さが気になるときは、換気扇を中心に使い、窓を開けるのは短い時間にとどめる方法もあります。
洗濯物を部屋に干すと、乾くまでの間、洗濯物の水分が部屋の空気に移ります。結露が気になる時期は、浴室で換気扇を回しながら干すなど、寝る部屋や窓のそばを避けると、窓に付く水滴を減らしやすくなります。
湿度の目安は40〜60%
東京都の「健康・快適居住環境の指針」は、部屋の湿度の目安を40〜60%としています。冬は空気が乾きやすく、加湿器を使う季節でもあります。ただ、湿度を上げすぎると、その分だけ結露しやすくなります。
乾燥も結露も避けるには、湿度を「感じ」ではなく、数字で確かめるのが近道です。
加湿器の方式や、手入れのしやすさの見方は、次の記事で紹介しています。

防ぐためのグッズ
暮らし方を見直しても湿度が下がらないときは、道具の力を借ります。湿度を数字で見る物、窓を冷えにくくする物、湿気を吸う物、空気を動かす物と、役目はそれぞれ違います。
温湿度計
結露対策で最初にそろえたいのが、部屋の温度と湿度を数字で見られる、この道具です。
- 置く場所は、窓のそばや、結露が気になる部屋にする
- 文字が大きく、離れた所からでも読める物を選ぶ
- 加湿器を使っているなら、湿度が60%を超えていないかを見る
湿度が高い時間帯が分かると、「料理のあとに上がっている」「寝ている間に上がっている」というように、原因の見当がつきます。
ノア精密の MAG は、数字を大きく表示する温湿度計で、「快適」「乾燥」などの目安も画面に出ます。単4電池2本で動くので、コンセントのない窓のそばにも置けます。壁に掛けるときは、掛け具を別に用意します。
窓に貼る断熱シート
窓ガラスに貼って、ガラスと部屋の間に空気の層を作るシートです。部屋の空気が、冷たいガラスに直接触れにくくなります。
- 自分の部屋の窓ガラスに使えるかを、商品の説明で確かめる(針金の入ったガラスや、表面がでこぼこしたガラスには使えない商品があります)
- 水で貼るタイプなど、はがしやすい物を選ぶ
- 貼る前に、窓の幅と高さを測っておく
シートを貼っても、サッシの金属の部分には水滴が付きます。サッシには、あとで紹介する吸水テープを合わせて使います。
ニトムズの断熱シートは、水で貼るタイプで、1枚が幅90cm×長さ1.8mあります。網入りガラスなどの特殊なガラスには貼れないので、自分の部屋の窓ガラスを先に確かめておくとよいです。
除湿剤・除湿機
押し入れやクローゼットのような狭い場所には、置くタイプや吊るすタイプの除湿剤が使えます。札幌市も、押し入れなどの狭い場所には、市販の除湿剤が役に立つとしています。
- たまった水の量が見える物を選ぶと、取り替える時期が分かりやすい
- いっぱいになったら、取り替える(そのままにすると、湿気を吸わなくなります)
エステーのドライペットクリアは、押し入れやクローゼットに置く除湿剤です。白い粒がなくなり、液が「お取り替え目安」までたまったら取り替え、長くても使い始めてから6か月で替えます。置いた日を容器に書いておくと、替えどきを忘れません。
クローゼットの湿気と虫への備えは、次の記事で紹介しています。

部屋全体の湿度が高いときは、除湿機を使う方法もあります。除湿機には、いくつかの方式があり、室温の低い冬に使えるかどうかは、商品によって違います。冬の結露のために買うなら、次の点を商品の説明で確かめてください。
- 冬の低い室温でも使えるか
- 部屋の広さに合っているか
- タンクの水を捨てやすいか
- 運転の音が、寝るときに気にならないか
サーキュレーター
空気がよどむ所は、温度が下がり、湿度が上がりやすくなります。サーキュレーターで部屋の空気を動かすと、部屋の隅や窓のそばに、湿った空気がとどまりにくくなります。部屋干しの洗濯物を早く乾かすのにも使えます。
- 首を振る物を選ぶと、部屋全体の空気を動かしやすい
- 寝るときに使うなら、運転の音の大きさを確かめる
アイリスオーヤマの PCF-HD15EC は、適用床面積の目安が8畳の、左右に首を振るサーキュレーターです。幅は約24cmで、ワンルームの窓ぎわにも置ける大きさです。
取る: 付いた水滴を楽に取るグッズ
湿気を減らしても、冷え込んだ朝には水滴が付きます。札幌市は、窓などの水滴は拭き取り、除湿するようすすめています。水滴を取る作業は、毎朝のことです。短い時間で済む道具を選びます。
結露取りワイパー
ゴムのへらで水滴を集め、持ち手の中のタンクにためる道具です。雑巾で拭くのと違い、何度も絞らずに済みます。
- タンクの大きさ: 結露の多い窓では、タンクが小さいと、途中で何度も水を捨てることになります
- へらの幅: 幅が広いほど、少ない回数で終わります。小さな窓が多い部屋では、小回りのきく幅が向いています
- 柄の長さ: 背の高い窓には、柄の長い物が楽です
使うときは、窓の下から上へ、まっすぐ動かします(動かす向きは、商品の説明で確かめてください)。最後に、サッシの下にたまった水を、布で拭き取ります。
山崎産業の結露とりワイパーは、取った水が約200mlのボトルにたまる作りで、大きさは横21cm×縦37cmのSサイズです。背の高い窓が多い部屋なら、柄の長い物も比べてみてください。
結露吸水テープ
窓ガラスの下のほうやサッシに貼っておくと、流れ落ちてきた水滴をテープが吸い取り、サッシの下や床に水がたまるのを防ぎます。
- 貼る場所に合った幅を選ぶ(ガラスに貼る物と、サッシの細い所に貼る物があります)
- 貼る前に、ガラスの水気と汚れを拭き取る
- はがしたときに、のりが残りにくい物を選ぶ
吸水テープは、貼ったままにしておくと、テープそのものが汚れたり、カビたりすることがあります。汚れが目立ってきたら貼り替えます。貼り替えの目安は商品によって違うので、買うときに説明書きを見ておきます。
ニトムズの強力結露吸水テープは、幅30mm×長さ4m・厚さ4.5mmで、1mあたり最大約130gの水を吸う作りです。こちらも網入りガラスや真空二重ガラスなどの特殊なガラスには使えないので、断熱シートと同じく、窓を確かめてから選びます。
吸水クロス
ワイパーで取りきれないサッシの溝や窓の角は、水をよく吸う布で拭きます。
- 絞りやすい厚さの物を選ぶ
- 使ったあとは、広げて乾かす(ぬれたまま置くと、ニオイのもとになります)
カビにしない: ぬれた所を乾かす
水滴を取ったあと、ぬれた所をそのままにしないことが、カビを防ぐ決め手になります。
サッシとカーテンを乾かす
拭き終わった窓のまわりにも、サッシの溝やカーテンのすそに湿り気が残ります。朝のうちに乾かしておけば、湿ったままの時間を短くできます。
- 水滴を取ったら、しばらく窓を開けるか、カーテンを開けたままにして、窓のまわりを乾かす
- カーテンのすそが窓に触れているなら、朝のうちにカーテンを束ねて、窓から離す
- サッシの溝のほこりを、ときどき取り除く(ほこりがたまっていると、水滴を拭き取りにくくなります)
カビを見つけたら
サッシのゴムや壁にカビを見つけたときは、拭き方に気をつけます。札幌市は、次のように案内しています。
- よく絞った雑巾で、静かに拭き取る
- 乾いた雑巾でこすったり、掃除機で吸ったりしない(カビの胞子が飛び散ります)
- 取ったあとは、風通しをよくして乾かす
- 被害が大きいときは、専門の業者に頼む
カビ取り剤を使うときは、商品の説明をよく読んでください。塩素系のカビ取り剤と、酸性の洗浄剤を混ぜると、有毒なガスが出ます。一緒に使わず、作業の間は換気をします。
洗剤の種類と使い分けは、次の記事で紹介しています。

賃貸の部屋で、壁紙や窓のまわりにカビが広がってしまったときは、自分で何とかしようとする前に、管理会社や大家さんに知らせましょう。
結露の量で選ぶ3つの組み合わせ
すべてを一度にそろえる必要はありません。朝の窓の様子に合わせて選びます。
窓の下のほうが少しぬれる程度
結露が軽いうちは、買う物は少なくて済みます。
- 温湿度計で、湿度を確かめる
- 吸水クロスで、朝に拭く
まずは湿度を見て、加湿のしすぎや、換気の不足がないかを確かめます。暮らし方の見直しだけで、気にならなくなることもあります。
窓の全体がぬれて、サッシに水がたまる
毎朝の拭き取りに時間がかかるようになったら、取る道具を足すころです。
- 温湿度計
- 結露取りワイパー
- 結露吸水テープ(サッシと、ガラスの下のほう)
水滴を取る作業を、ワイパーで短くします。取りきれない分は、吸水テープに任せます。
毎朝びっしょりで、カーテンや壁までぬれる
水滴を取るだけでは追いつかないなら、付く量そのものを減らす物を加えます。
- 上の3つに加えて、窓に貼る断熱シート
- サーキュレーターや除湿機で、部屋の空気を動かし、湿気を減らす
ここまでしても変わらないときや、壁の中や天井にまで水滴が出るときは、建物の側に原因があるのかもしれません。賃貸なら、管理会社や大家さんに相談してください。

賃貸の部屋で気をつけること
賃貸の部屋では、退去のときに、部屋を元の状態に戻す必要があります。貼る物を使うときは、次の点を確かめておきます。
- はがせるか: 水で貼る物や、「はがせる」と書かれた物を選びます
- 窓ガラスの種類: 針金の入ったガラスなど、シートを貼れないガラスがあります
- 貼る前の確認: 心配なときは、管理会社や大家さんに聞いておきます
また、結露をそのままにして、カビや傷みが広がった場合の扱いは、契約の内容や状況によって変わります。入居のときの書類に、換気や結露についての決まりが書かれていることもあります。一度、目を通しておくと安心です。
買う前に確かめたいこと
貼る物も置く物も、窓の大きさやガラスの種類が分からないままだと選べません。注文する前に、部屋で測ったり見たりして確かめられることです。
- 窓の幅と高さ(断熱シート、吸水テープの長さを決めるため)
- 窓ガラスの種類(シートを貼れるガラスか)
- 結露する窓の数(ワイパーのタンクの大きさ、テープの長さを決めるため)
- 貼る物は、はがしたあとに跡が残りにくいか
- 取り替えが要る物(除湿剤、吸水テープ)は、取り替えの目安と、続けて買えるか
- しまう場所(ワイパーは、窓のそばに掛けておけると、毎朝使いやすくなります)

まとめ
結露は、湿った暖かい空気が冷たい窓に触れて起こります。湿度を40〜60%に保って水滴を減らし、付いた水滴はワイパーと吸水テープで短い時間で取り、取ったあとは窓のまわりを乾かす。グッズを1つ買えば終わりではなく、役目の違う物を組み合わせて、毎朝の手間を減らします。
明日の朝、窓のどこが、どのくらいぬれているかを見てみてください。それが、最初に買う物を決める手がかりになります。

