朝、家を出てから「今日は半袖では寒かった」と気づく。週末に衣替えをしようと思っていたのに、予定が入ってそのままになる。気がつくと、夏の服と冬の服がクローゼットの中で混ざっている。季節の変わり目には、そんなことが起こりがちです。
衣替えがおっくうになるのは、「丸1日かけて全部入れ替えるもの」と考えているからかもしれません。時期の決め方と分け方を知っておくと、まとまった時間が取れなくても、少しずつ進められます。
しまった服を次の季節に気持ちよく着るための、ひと手間もあります。とはいえ最初に迷うのは、何をするかより、いつ始めるかのほうかもしれません。
衣替えの時期は、日付より気温で決める
衣替えと聞いて、6月と10月を思い浮かべませんか。学校や職場の制服が切り替わる時期として、広く知られています。ただ、自分の服の入れ替えは、日付で決める必要はありません。住んでいる地域や、その年の気温によって、ちょうどよい時期は変わるからです。
秋の目安は「最低気温18℃」
天気の情報を伝えるウェザーニュースは、洗剤メーカーのライオンと行った共同調査の結果を紹介しています。それによると、最低気温が20℃を下回ると約5割、18℃になると約6割の人が、半袖から長袖に切り替えていました。同社はこの結果をもとに、「最低気温18℃」を秋の衣替えの目安としています。
2026年9月の同社の記事では、長袖を着る日が増える時期の目安を、次のように伝えています。
| 時期 | 地域の例 |
|---|---|
| 9月中旬 | 東北北部など |
| 9月下旬〜10月上旬 | 東北南部、北陸、関東北部、山陰など |
| 10月中旬 | 関東南部、東海、近畿、九州北部などの都市部 |
| 10月下旬 | 九州南部、四国の太平洋側など |
| 11〜12月ごろ | 沖縄、奄美 |
これは2026年の秋の予報にもとづく目安です。天気予報で1週間先までの最低気温を見て、18℃を下回る日が続きそうなら、始めどきと考えるとよいでしょう。
春は「ゴールデンウィークまで」にしまう
冬の服をしまう春の衣替えについて、ライオンは、ゴールデンウィークまでに済ませることをすすめています。暖かくなると、衣類を食べる虫が卵を産み始めるためです。
一度に切り替えない
秋は気温の変化が大きく、涼しくなったあとに暑さが戻ることがあります。ウェザーニュースも、夏服を一度にすべてしまうのではなく、薄手の長袖を先に出しておくなど、気温に合わせて少しずつ進めることをすすめています。
「少しずつ」でよいと分かると、丸1日を空ける必要がなくなります。では、何回に分ければよいのか。
衣替えは3回に分けると進めやすい
忙しい人には、衣替えを3回に分ける進め方が合います。1回あたりは、30分から1時間ほどを目安にします。かかる時間は、服の量や収納の場所によって変わります。

1回目: 次の季節の服を少しだけ出す
最低気温が目安に近づいたら、まず次の季節の服を3〜5着だけ出します。秋なら、薄手の長袖や羽織る物です。今の季節の服は、まだしまいません。
出した服は、ハンガーに掛けて風を通します。長くしまっていた服は、たたみじわや、こもったにおいが付いていることがあるためです。気になる服は、着る前に一度洗っておくと、においを気にせず着られます。
2回目: 着なくなった服を洗ってしまう
気温が下がって、今の季節の服を着なくなってきたら、しまう作業に入ります。ここで大切なのが、しまう前の洗濯です(くわしくは次の章で説明します)。
洗って乾かす時間が要るので、晴れた日の午前中に洗い、乾いてからしまうと、1日で終えられます。量が多いときは、「今週はTシャツ、来週はズボン」のように、種類で分けてもかまいません。
3回目: 残りを入れ替えて、収納場所を整える
最後に、残っている服を入れ替えます。引き出しや衣装ケースが空になるので、ほこりを拭き取るにはちょうどいい時です。防虫剤の期限もこのとき確かめて、切れていたら取り替えます。
着なかった服を見直すのも、このタイミングです。1シーズン一度も着なかった服は、手放すか残すかを考えるきっかけにします。すぐに決められない服は、無理に処分しなくてかまいません。
しまう前にやること
衣替えでいちばん差が出るのは、しまう前の手入れです。次の季節に服を出したとき、黄ばみや虫食いに気づく、という困りごとの多くは、しまう前の汚れに原因があります。

一度しか着ていない服も洗う
ライオンによると、服の黄ばみは、ふだんの洗濯で落としきれずに繊維の奥に残った、汗や皮脂の汚れが原因になります。次の季節まで汚れを残さないよう、しまう前に落としておくことが大切です。
同社は、一度しか着ていない服でも、汗や皮脂の汚れが付いているので、そのまましまわないようすすめています。長くしまう前に行うこの洗濯は、「しまい洗い」と呼ばれています。
- 脇の下、えり、袖口など、汚れがたまりやすい所は、先に洗剤を直接つけてから洗う
- 漂白剤を使うときは、服の洗濯表示を見て、使えるかどうかを確かめる
- 洗い終わったら、すぐに取り出して形を整える
しっかり乾かしてからしまう
湿り気が残ったまましまうと、カビやにおいの原因になります。厚手の服や、ポケット、縫い目の重なった所は乾きにくいので、手で触って確かめてからしまいましょう。
クリーニングのカバーは外す
クリーニングから戻ってきた服には、ビニールのカバーが掛かっています。防虫剤メーカーのエステーは、クリーニングのカバーなどは外して収納するよう案内しています。そのまましまう場合は、カバーを外すか、風を通す素材の衣類カバーに掛け替えましょう。
家で洗えない服は、しまう前にクリーニングに出します。洗濯表示に、家庭での洗濯ができないことを示す記号(洗いおけに×の印)がある服が目安です。お店まで持って行く時間がとれないときは、家から送れる宅配クリーニングを使う方法もあります。
入れ替えの手順
入れ替えの作業そのものは、次の順番で進めます。エステーは、衣類の入れ替えは換気をよくして行うよう呼びかけています。窓を開けるか、換気扇を回してから始めます。
- しまう服を全部出す: 引き出しや衣装ケース1つ分ずつ出します。一度に全部出すと、途中でやめられなくなります
- 3つに分ける: 「来年も着る」「手放す」「迷う」に分けます。迷う服は1つの袋にまとめ、次の衣替えでもう一度見ます
- 収納の中を拭く: 空になった引き出しやケースの中を、乾いた布で拭きます。ほこりは、虫のえさになることがあります
- しまう: 詰め込みすぎないようにします。エステーは、衣類を傷めないための目安として「8割」までの収納をすすめています
- 防虫剤を置く: 引き出しや衣装ケースでは、たたんだ服のいちばん上に置きます。有効期間は製品によって違うので、パッケージで確かめます

除湿剤や防虫剤の置き方、種類の違う防虫剤を一緒に使うときの注意は、次の記事でくわしく紹介しています。

無印良品のクローゼットケース(中)は、外寸が約幅44×奥行55×高さ24cmの引き出し式のケースで、7段まで積み重ねられます。引き出しの内寸は約幅38.5×奥行49.5×高さ18.5cmなので、たたんだ服が何枚入るかは、この寸法で見当をつけます。置く場所の奥行きが55cmに足りるかも、先に測っておきます。
エステーのムシューダは、引き出しや衣装ケースに入れる防虫剤で、32個入りです。使い始めてからの有効期間は約1年。入れる数の目安は、50Lのケースに2個、75Lに3個です。
始める前にそろえておく物
作業の途中で「袋がない」「防虫剤が切れている」と気づくと、そこで手が止まってしまいます。2回目と3回目の前に、次の物があるかを確かめておきましょう。
- 洗剤(ふだん使っている物でかまいません。おしゃれ着を洗うなら、おしゃれ着用の洗剤)
- 洗濯ネット(型くずれしやすい服を入れます)
- 乾いた布(収納の中を拭きます)
- 防虫剤(今ある物の有効期間を確かめ、切れていたら買い足します)
- 袋を2枚(「手放す服」と「迷う服」を分けて入れます)
- ラベルにするテープとペン(箱やケースの中身を書きます)
クリーニングに出す服がある場合は、戻ってくるまでに数日かかります。3回目の入れ替えに間に合うように、2回目の日に出しておくと、あとの作業がまとめて済みます。
暮らし方に合わせた進め方の例
3回に分ける進め方を、暮らし方に当てはめた例を2つ紹介します。日にちは一例なので、住んでいる地域の気温と、自分の予定に合わせて動かしてください。
一人暮らしの場合
服の量が多くなければ、1回は30分ほどで終わります。平日の夜と週末を組み合わせる進め方ができます。
- 1回目(平日の夜): 長袖のシャツと羽織る物を3〜5着出して、ハンガーに掛ける
- 2回目(晴れた週末の午前): 着なくなった半袖をまとめて洗い、乾いたらしまう
- 3回目(次の週末): 残りを入れ替え、引き出しの中を拭く
共働き・家族がいる場合
家族全員の分を同じ日にやろうとすると、洗濯物が干しきれず、作業も長くなります。1人分ずつ、週をずらして進めるほうが、無理がありません。
- 自分の服は、自分で「来年も着る・手放す・迷う」を決める(ほかの人の服を代わりに決めると、あとで探し物が増えます)
- 洗濯は、1回に干せる量から逆算して、人ごと・種類ごとに分ける
- 子どもの服は、しまう前にサイズを確かめる。来年は着られない服を取り分けておくと、次の季節の買い物の目安になります
運営者の場合:春と秋の2回、洗ってから衣装ケースへ
わたしは、春と秋の年2回、衣替えをしています。1回にかかる時間は、3時間くらいです。しまう場所はクローゼットと、クローゼットの中に置いた衣装ケースで、衣装ケースには防虫剤も入れています。
しまう前には、必ず洗うようにしています。着なかった服は、このときに手放します。基本は捨てますが、きれいな物はリサイクルショップに持っていきます。
困るのは、しまったことを忘れて、同じような服を買ってしまうことです。今は、そうならないようにアプリを使っています。そのほかの工夫を、次にまとめます。
次の衣替えを楽にするひと工夫
半年後の自分が迷わないように、しまうときに少しだけ手を加えておきます。
- 中身を書いておく: 箱やケースの見える所に、「夏・Tシャツ」「冬・ニット」のように中身を書いたテープを貼ります。開けなくても中身が分かります
- 「最初に出す服」をいちばん上にしまう: 季節の変わり目に着る薄手の長袖や羽織る物は、ケースのいちばん上か手前に入れます。次の1回目が、すぐに終わります
- しまった場所を1か所にまとめる: 季節外の服があちこちに分かれていると、入れ替えのたびに探すことになります。置く場所を1〜2か所に決めておきましょう
- 気づいたことをメモに残す: 「長袖のシャツが足りなかった」「この上着は一度も着なかった」など、気づいたことをスマートフォンのメモに書いておくと、次の季節の買い物や見直しに役立ちます
収納が少ない部屋での衣替え
一人暮らしの部屋では、季節外の服をしまっておく場所が足りないことがあります。その場合は、次のような考え方があります。
「入れ替えない」衣替え
服の数が多くなければ、すべての服を1か所に置いたまま、位置だけを変える方法があります。
- ハンガーに掛けた服は、今の季節の服を取りやすい側へ、季節外の服を奥へ寄せる
- 引き出しは、上の段と下の段を入れ替える。または、手前と奥を入れ替える
この方法なら、箱に詰めて運ぶ作業がありません。ただし、しまい洗いと、収納の中を拭くことは、同じように行います。
季節外の服は、取り出しにくい場所へ
季節外の服は、半年ほど出番がありません。クローゼットの上の棚や、ベッドの下など、ふだんは使いにくい場所が向いています。重い物を高い所に置くと、取り出すときに危ないので、上の棚には軽い服を置きます。
狭い部屋で収納の場所を増やす考え方は、次の記事で紹介しています。

かさばる冬物の扱い
厚手の上着や毛布はかさばります。圧縮袋を使うと場所を取らなくなりますが、ダウンや羽毛のように、空気を含んでふくらむ素材は、強く圧縮すると元に戻りにくくなることがあります。使えるかどうかは、服の表示と圧縮袋の説明で確かめてください。
まとめ
衣替えは、気温を見て始めどきを決め、3回に分ければ、まとまった休みがなくても終えられます。いちばん手をかけたいのは、しまう前の洗濯と乾燥です。
秋なら、天気予報に最低気温18℃を下回る日が並び始めた週の夜に、薄手の長袖と羽織る物を3〜5着だけ出してハンガーに掛けておく。それで1回目は終わりです。
よくある質問
Q. 一度も着なかった服も、洗ってからしまうべきですか?
A. 買ってから一度も着ていない服は、汚れが付いていなければそのまましまう人もいます。迷うときは、洗っておくと安心です。一度でも着た服は、汚れが見えなくても汗や皮脂が付いているので、洗ってからしまうことがすすめられています。
Q. 雨の日に衣替えをしてもいいですか?
A. 服を出す作業はできますが、しまう作業は晴れた日のほうが向いています。湿気の多い日は、服や収納の中に湿り気が残りやすいためです。洗濯をする日は、乾くまでの時間も考えて選ぶのがおすすめです。

