共働きの家では、仕事から帰ってきてから、夕食の準備、洗い物、洗濯、お風呂の掃除……と家事に追われ、気づけば寝る時間になっています。
家事の時短というと、便利なテクニックや家電に目が向きがちです。もちろんそれも大切ですが、その前に見直せることがあります。
家事に追われるのは、あなたのやり方が悪いからではないかもしれません。見直す順番を知っておけば、がんばりを増やさなくても、自分の時間は取り戻しやすくなります。では実際のところ、共働きの家庭では家事にどれくらいの時間がかかっているのでしょうか。
統計で見る、共働き家庭の家事の現状
総務省の「令和3年社会生活基本調査」によると、6歳未満の子どもがいる世帯の夫婦の家事関連時間(家事・育児・介護・買い物などの合計)は、1日あたり夫が1時間54分、妻が7時間28分でした。2016年の前回調査と比べると、夫は31分増えて調査開始以来最も長くなった一方で、妻との差はまだ大きいのが現状です。
※この数字は、6歳未満の子どもがいる世帯全体の平均で、共働きかどうかを問わない数値です。家族構成や働き方によって、家事にかかる時間は大きく変わります。
家事にかかる時間の総量が変わらないまま、どちらかの負担を減らそうとすると、もう一方の負担が増えるだけになりがちです。家事の時短を考えるときは、まず「家事の総量そのものを減らす」ことから始めるのが効果的です。
家事の時短は「4つの順番」で考える
家事の時短は、次の4つの順番で考えると整理しやすくなります。

- やめる・減らす: そもそもやらなくていい家事や、頻度を下げられる家事を見直す
- まとめる・仕組み化する: 残った家事を、まとめて片付けたり、考えなくても回る仕組みにしたりする
- 夫婦で分担する: 家事の中身を見える化して、夫婦で分け合う
- 家電・サービスに任せる: 人の手でやらなくてもいい家事を、家電や外部のサービスに任せる
最初から家電を買ったり、分担表を作ったりするのではなく、まず家事の量を減らしてから、残った家事をどう回すかを考えるのがポイントです。量を減らさないまま分担すると、分担表が複雑になり、続かなくなることがあります。
①やめる・減らす:家事の「当たり前」を見直す
家事の量は、やり方を工夫する前に「毎日やる必要があるか」を問うだけで減らせます。書き出した家事の頻度と、夫婦で決める「わが家の基準」の2つが、減らせるかどうかの分かれ目です。
毎日やっている家事を書き出してみる
まずは、毎日・毎週やっている家事を書き出します。そのうえで、一つひとつについて「毎日やる必要があるか」「やらなかったら本当に困るか」を考えてみます。例えば、次のような見直しができる場合があります。
- 掃除機がけは毎日から週2〜3回に: 汚れが気になる場所だけ、その都度さっと拭く方法に切り替える
- 洗濯物は「たたまない」収納に: ハンガーに干した服はそのままクローゼットに掛け、下着やタオルはたたまずにボックスに入れる
- アイロンがけを減らす: 形態安定加工のシャツなど、アイロンがけが不要または少なくて済む服を選ぶ
- 食器の数を減らす: 1食で使う皿の数を減らすと、洗い物も減ります。ワンプレートにまとめるのも一つの方法です
家事の「基準」を夫婦ですり合わせる
家事の負担が大きくなる原因の一つに、「きちんとやらなければ」という基準の高さがあります。どのくらいの頻度で、どこまでやれば十分かは、家庭によって違って当然です。
例えば「夕食は一汁三菜を手作りしなければ」「洗濯物はきれいにたたまなければ」といった基準を、夫婦で話し合って見直すと、それだけで家事の量が減ることがあります。どちらか一方の基準に合わせるのではなく、「わが家はこれで十分」という基準を2人で決めることが大切です。
②まとめる・仕組み化する:考えなくても回る状態をつくる
やめられない家事も、毎回考えながら動くのをやめれば短くなります。料理・洗濯・掃除・買い物のどれにも、流れを先に決めてしまえる所があります。
料理
料理は、献立を考える・買い物をする・下ごしらえをする・調理する・片付けるといった工程が多く、時間のかかりやすい家事です。
- 週末に作り置きや下ごしらえをまとめる: 野菜を切っておく、肉に下味をつけて冷凍しておくなど、平日の調理工程を減らします。作り置きは、食材や作り方によって保存できる期間が変わるため、早めに食べきるようにしましょう
- 献立をパターン化する: 「月曜は魚、火曜は丼もの」のように曜日ごとの型を決めたり、定番メニューをいくつか決めて回したりすると、毎日献立を考える負担が減ります
- 調理家電や便利な食材を活用する: 電気圧力鍋や自動調理鍋のように、材料を入れてボタンを押せば調理が進む家電を使うと、調理中にほかの家事ができます。カット野菜や冷凍野菜、ミールキットを取り入れるのも一つの方法です
- 洗い物を減らす工夫をする: 調理しながら使い終わった道具を洗う、フライパンで調理してそのまま食卓に出すなど、最後にまとめて洗う量を減らします
作り置きの始め方と安全な保存のルールは、次の記事にまとめています。

Re・De Pot の電気圧力鍋 2L(EPC01A-20)は、炊飯や肉じゃが、さばの味噌煮など8種類の自動メニューと、低温調理・温めのモードを持つ鍋です。調理できる量は1.2L(4合まで)。最大12時間の予約ができますが、生ものを使う料理は、予約調理には向きません。
ミールキットや食材の宅配は、献立を考える手間と買い物の時間をまとめて減らせます。届く内容や料金、配達できる地域は、サービスによって異なります。
Oisix(オイシックス)の初めての人向けのおためしセットを頼むなら、届く中身が平日の献立に使えそうかと、住んでいる地域に配達できるかを見ておくと、頼んでから困りません。
洗濯
洗濯は、洗う時間より、干す・取り込む・しまうの手間で長引きがちです。どこを短くできるかは、生活のリズムと収納の形で決まります。
- 洗濯のタイミングを決める: 「夜に洗濯機を回して朝干す」「タイマー予約で朝に洗い終わるようにする」など、生活リズムに合わせて流れを固定すると、迷う時間がなくなります
- 干す・取り込む・しまうを短くする: ハンガーで干してそのままクローゼットへ、家族ごとのボックスに入れるだけにする、などの工夫で、たたむ工程を減らせます
- 乾燥機能を活用する: タオルや下着など乾燥機にかけられる物だけでも乾燥機能を使うと、干す手間が減ります(衣類の表示を確認して使いましょう)
乾燥機付き洗濯機を選ぶときの比べ方は、次の記事で紹介しています。

掃除
掃除は、まとめて片付けようとするほど腰が重くなる家事。ほかの動作のついでにできる形と、道具の置き場所を変えるだけでも、汚れがたまる前に手が出せます。
- 「ついで掃除」を習慣にする: 歯みがきのついでに洗面台を拭く、お風呂から出る前に壁や床の水気を切るなど、ほかの動作のついでに短時間で済ませると、汚れがたまりにくくなります
- 掃除道具を使う場所の近くに置く: 取り出しに手間がかかると掃除をするのが面倒になります。使う場所の近くに道具を置いておくと、気づいたときにすぐ掃除できます
- 床に物を置かない: 床に物が少ないと、掃除機がけやロボット掃除機の稼働がスムーズになります
汚れに合う洗剤の選び方や、場所別の時短のコツは、次の記事で紹介しています。

買い物
買い物にかかる時間は、店に行く回数でほぼ決まります。重い物や使う量の決まった日用品を届けてもらい、リストを夫婦で共有すれば、その回数は減らせます。
- ネットスーパーや宅配を活用する: 重い物やかさばる物をまとめて届けてもらうと、買い物に行く時間と手間を減らせます
- 日用品は定期便やまとめ買いに: トイレットペーパーや洗剤など、使う量がほぼ決まっている日用品は、定期便やまとめ買いにすると、買い忘れや買い物の回数を減らせます
- 買う物リストを夫婦で共有する: スマートフォンの共有メモやアプリで買う物リストを共有すると、どちらが買い物に行っても迷わず、買い忘れや重複を防げます
③夫婦で分担する:家事を「見える化」して分け合う
分担がうまくいかないのは、目に見える家事だけで分けようとするからかもしれません。先に家事を全部書き出してから分け方を決めると、どちらかに偏りにくくなります。
名もなき家事も含めてリスト化する
夫婦で家事を分担するときに大切なのは、家事の中身を見える化することです。「料理」「洗濯」「掃除」といった大きな家事だけでなく、次のような「名もなき家事」も含めて書き出してみてください。
- トイレットペーパーや洗剤の残りを確認して買い足す
- シャンプーや洗剤を詰め替える
- ゴミを分別して、ゴミ袋を新しくセットする
- 郵便物を仕分ける、学校や保育園の書類を確認する
- 献立を考える、冷蔵庫の中身を把握する
一つひとつは数分で終わる作業でも、積み重なると大きな負担になります。すべて書き出すと、「こんなに家事があったのか」と夫婦で認識をそろえやすくなります。
分担のコツ
書き出した家事をどう分けるかで、続くかどうかが変わります。得意・苦手、担当の範囲、時間の合計、任せ方のうち、わが家に合うものから取り入れてください。
- 得意・苦手で分ける: 料理が得意な人は料理、片付けが苦にならない人は洗い物、というように、得意な家事を担当すると、ストレスが少なく続けやすくなります
- 「担当」は最後まで任せる: 「ゴミ出し」を担当するなら、ゴミをまとめる・袋をセットする・ゴミ袋を買い足すところまでを一つの担当にすると、「言われないとやらない」状態を防ぎやすくなります
- 時間の合計で考える: 仕事の時間、通勤時間、家事の時間を合わせた負担が、夫婦でなるべく偏らないように考える方法もあります
- やり方に口を出しすぎない: 担当した人のやり方が自分と違っても、結果に大きな問題がなければ任せることも大切です
分担は一度決めたら終わりではなく、仕事の忙しさや子どもの成長に合わせて見直していくものです。月に1回など、家事の分担について話し合うタイミングを決めておくと、不満がたまりにくくなります。

④家電・サービスに任せる:お金で時間を買う選択肢
家事を減らし、分担しても手が回らない場合は、家電や外部のサービスに任せることも選択肢になります。費用はかかりますが、そのぶん空いた時間を休息や家族との時間に使える、と考える家庭も多くあります。どの家電から入れるかは、毎日時間がかかっている家事や、やりたくない家事から考えると選びやすくなります。
食器洗い乾燥機(食洗機)
毎日発生する洗い物は、食洗機に任せやすい家事の一つです。パナソニックの試算では、2〜3人分の食器を洗う場合、手洗いでは1回あたり約15.1分かかる作業が、食洗機を使うと約1.5分になり、1年間で約165時間の短縮になるとされています。使用する水の量も、手洗いの約40Lに対して約9Lで済みます。

ただし、これはメーカーが一定の条件で試算した数値で、食器の量や汚れ具合、手洗いのやり方、機種によって変わります。食洗機を置くスペースと、給水の方法(分岐水栓の取り付けやタンク式など)も、買う前に見ておきたい所。賃貸住宅で分岐水栓を取り付けるなら、管理会社に確かめる必要が出ることもあります。食洗機・洗濯乾燥機・ロボット掃除機の選び方と、買う前に確認したい設置条件は、次の記事で詳しく紹介しています。

パナソニックの NP-TA5 は、食器40点・小物20点を洗える5人分相当の卓上型で、庫内容積は約50Lあります。本体は幅550×奥行344×高さ598mmと大きめなので、置く場所の寸法を先に測っておきます。
同じパナソニックの SOLOTA(NP-TML1)は、庫内約10Lの1人分の食洗機で、本体のタンクに水を入れて使います。付属の排水ホースは約0.8mなので、置き場所から排水先までの距離も見ておきたいところです。
洗濯乾燥機・衣類乾燥機
洗濯から乾燥までを自動で行う洗濯乾燥機や、単体の衣類乾燥機を使うと、洗濯物を干す・取り込む手間を減らせます。天気や時間帯を気にせずに洗濯できるのも利点です。一方で、本体の価格や設置スペース、乾燥にかかる電気代、乾燥機にかけられない衣類がある点も考えて選びましょう。
東芝の ZABOON TW-127XP5L は、洗濯12kg・乾燥7kgの、ヒートポンプで乾かすドラム式です。液体洗剤と柔軟剤を自動で入れる機能があり、本体は幅645×奥行720×高さ1060mm(幅は排水ホースを含む)、質量は約89kg。防水パンは、奥行の内寸が520mm以上必要です。
パナソニックの NA-LX129EL も同じヒートポンプ式で、こちらは洗濯12kg・乾燥6kg。洗濯から乾燥までの目安は約98分です。洗剤と柔軟剤の自動投入に加えて、ダウンジャケットを洗うコースもあります。置くには、奥行の内寸が540mm以上の防水パンが要ります。
ロボット掃除機
外出中に床の掃除を任せられるロボット掃除機も、共働き家庭で取り入れられることの多い家電です。ただし、置けばすぐ働いてくれるわけではありません。床に物を置かない、コード類をまとめるなど、ロボット掃除機が動きやすい部屋にしておくのが先です。
エコバックスの DEEBOT N20 PRO PLUS は、ゴミを自動で集めるステーションが付いたロボット掃除機です。吸引に加えて床の水拭きもできるので、拭き掃除までまとめて任せたい家に合います。
本体の高さが約7.2cmと薄いのが、Anker の Eufy Auto-Empty C10。自動ゴミ収集ステーションを組み合わせたロボット掃除機です。乗り越えられる段差は17mmまでで、Wi-Fiは2.4GHzにだけ対応しています。ステーションは、左右0.5m・前方1.5mの範囲に物がない所に置きます。
家事代行サービス
掃除や料理の作り置きなどを、プロのスタッフに依頼できる家事代行サービスもあります。定期的に依頼する方法のほか、年末の大掃除や繁忙期だけなど、スポットで利用する方法もあります。料金や依頼できる内容はサービスや地域によって異なるので、1社に決める前に、いくつか比べてみてください。
家事代行で頼めることや、はじめての頼み方は、次の記事で紹介しています。

CaSy(カジー)を候補に入れるなら、頼みたいのが掃除か作り置きかと、住んでいる地域が対象に入っているかを、ほかのサービスと比べるときに一緒に見ておきます。
今日からできる時短のコツ(チェックリスト)
上から順でなくてかまいません。取り入れやすいものから試してみてください。
- 毎日やっている家事を書き出し、頻度を下げられるものを1つ決めた
- 家事の基準(どこまでやれば十分か)を夫婦で話し合った
- 名もなき家事も含めて、家事のリストを夫婦で共有した
- 買う物リストをスマートフォンで共有した
- 献立を曜日ごとの型や定番メニューでパターン化した
- 洗濯物をたたまずにしまえる収納にした
- 「ついで掃除」を1つ習慣にした
- 家電や家事代行に任せたい家事を1つ考えてみた
まとめ
家事の時短は、家電や分担表から入るより、「やめる・減らす」で家事の量を先に小さくしてから、残りの回し方を考えるほうが続きやすくなります。分担の話し合いも、名もなき家事まで書き出した一覧があると、話が早く進みます。
いちばん効く時短は、やらなくていい家事を見つけることです。

