ふるさと納税は、何から始めて、いくらまで寄附すればよいかを一度押さえてしまえば、会社員なら年に数回ネットで申し込むだけで続けられる制度です。ただし、押さえておきたい点を外すと、思ったほど得にならないこともあります。
税金の言葉がむずかしくて不安な人も、大丈夫です。専門用語はできるだけかみくだいて、初めての人がつまずきやすいところを順に説明します。読み終わるころには、自分がいくらまで、どの手続きで寄附すればよいかが見えてくるはずです。
※この記事は2026年9月時点の総務省の公表資料などをもとにしています。制度は毎年のように見直されているため、最新の情報は総務省「ふるさと納税ポータルサイト」でご確認ください。
ふるさと納税とは?仕組みをかんたんに
ふるさと納税で分かりにくいのは、寄附したお金がどう扱われ、なぜ負担が2,000円で済むのかという点です。そこが分かると、お得といわれる理由も、誤解されやすい理由も見えてきます。
ひとことで言うと「税金の一部を、選んだ自治体に先に納める仕組み」
ふるさと納税は、自分が選んだ自治体(都道府県や市区町村)に「寄附」をすると、その寄附額のうち2,000円を超える部分が、あなたが払う所得税と住民税から差し引かれる制度です。名前に「ふるさと」とついていますが、生まれ故郷でなくても、応援したい自治体を全国から自由に選べます。
30,000円を寄附した場合の例
例えば、あとで説明する「控除上限額」の範囲内で30,000円を寄附したとします。すると、30,000円から2,000円を引いた28,000円が、所得税と住民税から差し引かれます。
- 寄附で払ったお金: 30,000円
- あとで税金が安くなる金額: 28,000円
- 差し引きの自己負担: 2,000円
つまり、実質的な負担は2,000円です。これに加えて、多くの自治体が寄附のお礼として、地域の特産品などの「返礼品」を送ってくれます。
返礼品にはルールがある
返礼品は、自治体が自由に何でも送れるわけではありません。国のルールで、返礼品は「寄附額の3割以下」で、「その地域で生産・製造されたものなどの地場産品」と決められています。30,000円の寄附なら、返礼品の価値は9,000円程度までということです。
「2,000円の負担で、寄附額に応じた地域の特産品を受け取れる」という点が、ふるさと納税がお得だといわれる理由です。
「税金が安くなる制度」ではない
ここで一つ誤解しやすいのが、ふるさと納税は税金そのものが安くなる制度ではない、という点です。本来は住んでいる自治体や国に払うはずだった税金の一部を、寄附という形で先に別の自治体へ納めているイメージです。払う税金の総額が大きく減るわけではなく、「納め先を自分で選んで、そのお礼に返礼品をもらえる」と考えると分かりやすいでしょう。
最初に知っておきたい用語
ふるさと納税の説明には、税金の用語がたくさん出てきます。全部を覚える必要はありません。下の表の言葉が分かれば、この先は読み進められます。
| 用語 | 意味 |
|---|---|
| 控除(こうじょ) | 払う税金から、一定の金額を差し引いてもらうこと。ふるさと納税では「寄附額−2,000円」が控除される |
| 所得税 | 国に納める税金。会社員は毎月の給料から天引きされている |
| 住民税 | 住んでいる都道府県・市区町村に納める税金。会社員は前の年の収入をもとに、6月から翌年5月まで毎月の給料から天引きされる |
| 控除上限額 | 自己負担2,000円で済む寄附額の上限。年収や家族構成によって人それぞれ違う |
| ワンストップ特例 | 確定申告をしなくても控除を受けられる手続き。会社員など条件を満たす人が使える |
| 確定申告 | 1年間の収入や控除を税務署に申告する手続き。寄附した翌年の3月15日までに行う |
| 寄附金受領証明書 | 寄附した自治体から届く「寄附を受け取りました」という証明書。確定申告で使う |
| 住民税決定通知書 | 毎年5〜6月ごろに勤務先経由で届く、その年の住民税の金額が書かれた書類。控除されたかを確認できる |
始める前に知っておきたい3つのこと
寄附したお金はいつ戻るのか、どこまでなら負担が増えないのか、何をしないと控除されないのか。申し込む前に、この3つは知っておきたいところです。
1. 寄附したお金は先に出ていき、税金が減るのは後から
ふるさと納税では、寄附したときに寄附額の全額を支払います。控除によって税金が減るのは後からで、住民税の場合は、寄附した翌年の6月以降に毎月の住民税が少しずつ減る形になります。
30,000円を寄附したら、いったん30,000円が手元から出ていき、それが1年ほどかけて税金の減額という形で戻ってくる、という流れです。家計に余裕のない月にまとめて寄附すると、一時的に生活費が苦しくなることがあるので注意が必要です。
2. 控除上限額を超えた分は自己負担になる
自己負担が2,000円で済むのは、控除上限額の範囲内で寄附した場合だけです。上限額を超えた部分は控除されず、そのまま自己負担になります。上限額は年収や家族構成などによって人それぞれ異なるため、寄附の前に目安を把握しておくことが大切です。
3. 手続きをしないと控除されない
寄附をしただけでは、税金は自動的には減りません。「ワンストップ特例」の申請か「確定申告」のどちらかの手続きが必要です。返礼品が届いて満足してしまい、手続きを忘れるのが初心者によくある失敗です。

控除上限額の考え方
自己負担を2,000円に収められるかは、上限額の範囲で寄附できるかにかかっています。大事なのは計算式より、自分の上限額の目安をどうつかむかです。
計算式は覚えなくて大丈夫
控除上限額は、税金の計算の仕組みから決まります。総務省の説明によると、ふるさと納税の控除額は次の3つに分かれて計算されます。
- 所得税からの控除: (寄附額−2,000円)×所得税の税率
- 住民税からの控除(基本分): (寄附額−2,000円)×10%
- 住民税からの控除(特例分): (寄附額−2,000円)×(100%−10%−所得税の税率)
少し難しく見えますが、ポイントは1つだけです。3つ目の「住民税の特例分」には、「住民税の所得割額の2割まで」という上限があります。所得割額とは、住民税のうち収入(所得)に応じて決まる部分のことです。
寄附額が大きくなって特例分がこの上限を超えると、3つを合計しても「寄附額−2,000円」の全額は控除されなくなり、自己負担が2,000円を超えます。これが「控除上限額」の正体です。
実際に自分で計算する必要はありません。「住民税の金額が多い人ほど、上限額も大きくなる」とだけ覚えておけば十分です。そのため、収入が多い人ほど上限額は大きくなり、配偶者控除や扶養控除を受けている人は、課税される所得が小さくなる分、上限額が低めになる傾向があります。
年収別の上限額の目安
年収と家族構成ごとの、全額控除される寄附額の目安は次のとおりです。
| 年収 | 独身または共働き | 夫婦(配偶者控除あり) |
|---|---|---|
| 300万円 | 28,000円 | 19,000円 |
| 400万円 | 42,000円 | 33,000円 |
| 500万円 | 61,000円 | 49,000円 |
| 600万円 | 77,000円 | 69,000円 |
| 700万円 | 108,000円 | 86,000円 |
※給与収入のみで、住宅ローン控除や医療費控除など他の控除を受けていない場合の目安です。社会保険料を給与収入の15%として計算しています。実際の上限額は、社会保険料の額や各種控除の状況によって変わります。
「共働き」は、配偶者に収入があり、配偶者控除を受けていない場合を指します。共働き夫婦の場合、ふるさと納税は夫婦それぞれが自分の収入に応じた上限額の範囲で、自分の名義で行います。

目安より少し控えめにしておくと安心
表の金額は、あくまで一定の条件で計算した目安です。上限ぎりぎりまで寄附しようとすると、実際の上限額を少し超えてしまうおそれがあります。特に初めての年は、目安の8〜9割程度を「今年の予算」にしておくと安心です。上限額を少し下回っても損をするわけではなく、上限額までの枠を使い切れなかった、というだけです。
正確な上限額を知るには
より正確な目安を知りたい場合は、ふるさと納税のポータルサイトなどにある控除上限額シミュレーターを使うと便利です。年収と家族構成を選ぶだけの簡単なものと、源泉徴収票の数字を入力する詳しいものがあります。
会社員なら、年末や年明けに勤務先から「源泉徴収票」という書類を受け取っているはずです。詳しいシミュレーターでは、この源泉徴収票に書かれている「支払金額」「給与所得控除後の金額」「所得控除の額の合計額」「源泉徴収税額」などを入力すると、より実態に近い金額を計算できます。その年の収入がまだ確定していない場合は、前年の源泉徴収票を参考にしつつ、今年の収入の見込みで計算します。
次のような人は、簡単な早見表と実際の上限額がずれやすいので、詳しいシミュレーターで確かめてください。
- 住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)を受けている人
- 医療費控除やiDeCoの掛金など、ほかの控除を受ける予定がある人
- 副業などで給与以外の所得がある人
- その年に転職・休職などで収入が大きく変わる人
なお、ふるさと納税の寄附額は1月1日から12月31日までの1年分で計算されます。年の途中で収入の見込みが変わった場合は、上限額も計算し直しておくのが無難です。
ふるさと納税の始め方5ステップ
ここからが実際の手順で、全部で5つのステップです。お金の流れと手続きの時期は、次の図のようになります。

ステップ1: 控除上限額の目安を調べる
まずは前の章を参考に、自分の控除上限額の目安を調べます。初めての年は、目安より少し低めの金額を「今年の予算」として決めておくと失敗しにくくなります。
ステップ2: ふるさと納税サイトを選ぶ
ふるさと納税は、各自治体のホームページから直接申し込むこともできますが、ここでは「ふるさと納税サイト(ポータルサイト)」を使う方法で進めます。ポータルサイトとは、全国の自治体の返礼品をまとめて探して、ネット通販のような感覚で申し込めるサイトのことです。サイトによって掲載している自治体・返礼品や、使える支払い方法が異なります。
2025年10月以降、ポータルサイトが独自にポイントを付けることは禁止されたため、以前のような「ポイント還元率」でサイトを比べる意味は小さくなりました。今は次のような使いやすさで選ぶとよいでしょう。
- 普段使っているサービスのアカウントで、そのまま申し込めるか
- 使いたい支払い方法(クレジットカードなど)に対応しているか
- 欲しい返礼品や、応援したい自治体が掲載されているか
なお、同じ自治体の同じ返礼品でも、サイトによって寄附額や内容量が違うことがあります。気になる返礼品は、申し込む前にいくつかのサイトで見比べておくと、寄附額の差に気づけます。
たとえば楽天ふるさと納税は、楽天会員のアカウントでそのまま申し込めるサイトの一例です。
主なサイトの特徴や選び方は、次の記事でくわしく紹介しています。

ステップ3: 自治体と返礼品を選んで寄附する
返礼品や、寄附金の使い道(子育て支援・災害復興など)から応援したい自治体を選び、寄附を申し込みます。申し込みの流れは、ネット通販で買い物をするのとほとんど同じです。申し込むときに気をつけたいのは、次の点です。
- 寄附者の名義は、控除を受ける本人にする: 家族の名義で申し込むと、自分の控除として扱われません。支払いに使うクレジットカードも本人名義にそろえておくと確かです
- 住所は住民票の住所にする: 控除の手続きは住民票の住所をもとに行われます
- ワンストップ特例を使う予定なら、申込画面で申請書の送付を希望する: 多くのサイトでは、申し込みのときに「ワンストップ特例の申請書を希望する」といった項目を選べます
返礼品は、米や日用品などの生活必需品を選ぶと、普段の買い物が減って家計の節約につながりやすくなります。一方、冷凍の肉や魚介などは量が多いこともあるので、冷凍庫に入りきるかどうかも、申し込む前に見ておきたいところです。
ステップ4: ワンストップ特例か確定申告の手続きをする
寄附をしたら、控除を受けるための手続きをします。会社員で確定申告の必要がなく、寄附先が5自治体以内の人は「ワンストップ特例」、それ以外の人は「確定申告」を使います。どちらを選ぶかは、このあとの章で詳しく解説します。
ステップ5: 翌年、控除されているか確認する
最後に、税金がきちんと控除されているかを確認します。ワンストップ特例を使った場合は、寄附した翌年の5〜6月ごろに勤務先経由で届く「住民税決定通知書」で確認できます。通知書の「税額控除額」「寄附金税額控除」などの欄(名称や書式は自治体によって異なります)に金額が入っていれば、控除されています。
確定申告をした場合は、所得税の還付金が指定した口座に振り込まれるほか、同じく住民税決定通知書で住民税の控除額を確認できます。見方が分からない場合は、お住まいの市区町村の住民税の担当窓口に問い合わせることもできます。
具体例: 年収400万円・独身の会社員の場合
ここまでの流れを、具体的な例でたどってみます。2026年中に、年収400万円・独身の会社員(確定申告はしていない)が初めてふるさと納税をするケースです。
1. 上限額の目安を調べる
早見表では、年収400万円・独身の上限額の目安は42,000円です。初めてなので少し控えめに、今年の予算を35,000円に決めます。
2. サイトを選んで寄附する
普段使っている通販サイトと同じアカウントで申し込めるふるさと納税サイトを選び、次の3つの自治体に寄附します。
・A市に15,000円(お米)
・B町に12,000円(トイレットペーパー)
・C村に8,000円(季節の果物)
合計35,000円で、寄附先は3自治体です。
3. ワンストップ特例を申請する
確定申告をしない会社員で、寄附先が5自治体以内なので、ワンストップ特例が使えます。3つの自治体それぞれに申請書を提出します(寄附先の数だけ申請が必要です)。期限は2027年1月10日です。
4. 翌年、住民税が減る
控除される金額は、35,000円−2,000円=33,000円です。ワンストップ特例なので、所得税からは控除されず、全額が2027年度の住民税から差し引かれます。2027年6月から2028年5月までの住民税が、合計で33,000円少なくなるイメージです(月ごとの金額は自治体の計算によります)。
5. 通知書で確認する
2027年の5〜6月ごろに届く住民税決定通知書で、寄附金税額控除として33,000円前後が差し引かれているかを確認します。
結果として、2,000円の負担で、お米・トイレットペーパー・果物の3つの返礼品を受け取れたことになります。
運営者の場合:楽天ふるさと納税で1か所
わたしもふるさと納税をしていて、もっと早く始めればよかった、というのが正直な気持ちです。
使っているのは楽天ふるさと納税で、寄附先は1年に1か所だけ。返礼品は食べ物を選んでいます。確定申告はしないので、手続きはワンストップ特例で済ませています。
やってみて、やっぱり始めてよかったと思っています。ただ、返礼品がいつ届くか分からないことと、何にするか迷ってしまうことは、今も悩むところです。届く時期については、下の「返礼品の到着時期と保存方法を確認する」でも触れています。
ワンストップ特例と確定申告、どちらを使う?
どちらを使うかは、確定申告をする予定があるかと、寄附先の数でほぼ決まります。
| 項目 | ワンストップ特例 | 確定申告 |
|---|---|---|
| 使える人 | 確定申告が不要な給与所得者等 | 誰でも(確定申告をする人は必ずこちら) |
| 寄附先の数 | 5自治体以内 | 制限なし |
| 手続き | 寄附先の自治体ごとに申請書を提出 | 寄附金受領証明書をもとに税務署へ申告 |
| 期限 | 寄附した翌年の1月10日まで | 寄附した翌年の3月15日まで |
| 控除のされ方 | 全額が翌年度の住民税から控除 | 所得税(還付)と翌年度の住民税から控除 |
ワンストップ特例が向いている人
確定申告をしたことがない会社員で、寄附先が5自治体以内に収まる人は、ワンストップ特例が手軽です。寄附先の自治体ごとに申請書を提出するだけで、確定申告をしなくても控除を受けられます。なお、同じ自治体に何回寄附しても、数えるのは1自治体です。
申請に必要なものは次のとおりです。
- 申請書(寄附の申し込み時に希望すると自治体から届くほか、自治体やサイトからダウンロードできる場合もあります)
- マイナンバーが確認できる書類と、本人確認書類の写し(マイナンバーカードがあれば、その表裏のコピーで両方を兼ねられます)
一部の自治体では、マイナンバーカードを使ってスマートフォンからオンラインで申請することもできます。郵送の手間がかからないので、対応している自治体なら便利です。
申請書の提出期限は、寄附した翌年の1月10日です。年末に寄附した場合は特に期限が近いので、早めに提出しましょう。また、申請後に引っ越しなどで住所や名前が変わった場合は、翌年の1月10日までに、寄附先の自治体へ変更の届出が必要です。
確定申告が必要な人
次のような人は、ワンストップ特例を使えないため確定申告が必要です。
- 6自治体以上に寄附した人
- 個人事業主や、副業の所得が一定額を超えるなど、もともと確定申告が必要な人
- 医療費控除や、住宅ローン控除の1年目などで確定申告をする人
確定申告と聞くと難しそうに感じるかもしれませんが、国税庁の「確定申告書等作成コーナー」を使えば、画面の案内に沿って源泉徴収票や寄附の金額を入力するだけで申告書を作成できます。マイナンバーカードがあれば、e-Taxを使ってスマートフォンから提出することも可能です。
確定申告では、寄附先の自治体から届く「寄附金受領証明書」の内容を入力します。寄附の数だけ届くので、なくさないように1か所にまとめて保管しておくと、申告のときに探さずに済みます。書類の分け方や保管のコツは、次の記事で紹介しています。

2025年〜2027年の制度変更まとめ
ふるさと納税は、ここ数年で大きなルール変更が続いています。初心者に関係するものと、ほとんど関係しないものに分けて整理します。
| 時期 | 変更内容 | 初心者への影響 |
|---|---|---|
| 2025年10月〜 | ポータルサイトによるポイント付与の禁止 | 大きい(サイト選びの基準が変わった) |
| 2026年10月〜 | 募集費用の透明化・地場産品基準の明確化 | 中くらい(選べる返礼品や寄附額が変わる) |
| 2027年の寄附〜 | 住民税の特例控除に定額の上限を設定 | ほぼなし(高所得者向け) |
2025年10月: ポータルサイトのポイント付与が禁止に
2025年10月1日から、寄附に伴ってポイントなどを付与するポータルサイト等を通じて、自治体が寄附を募集することが禁止されました。サイト間のポイント還元競争が過熱し、地域を応援するという本来の趣旨から離れていたことが理由です。
これにより、ポータルサイト独自のポイントやキャンペーンでの上乗せはなくなりました。ただし、クレジットカードで支払ったときにカード会社から付与される通常のポイントは、引き続き対象とされています。
2026年10月: 返礼品のルールがより厳しく
総務省は2025年6月、ふるさと納税の指定基準を見直すことを公表しました。2026年10月に始まった指定期間から、「募集費用の透明化」と「地場産品基準の明確化」が適用されています。
地場産品基準の明確化により、返礼品が「その地域で生み出された価値が中心か」をより厳密に確認されるようになりました。ふるさと納税サイトの告知によると、地域外で作られたものを多く含む家電・化粧品・ファッション・酒類・加工食品などの一部は、返礼品から外れることが見込まれています。また、同じ返礼品でも、必要な寄附額が上がったり、内容量が減ったりするケースもあります。
寄附する側としては、「以前見た返礼品が見つからない」「同じ品なのに寄附額が変わっている」ということが起こりうる、と知っておけば十分です。
2027年の寄附から: 高所得者向けの控除上限
令和8年度の税制改正で、住民税の特例控除額に、定額の上限(道府県民税と市町村民税の合計で193万円)が設けられることになりました。2027年以降の寄附(2028年度分の住民税)から適用されます。
ただし、この上限に影響するのは、給与収入がおおむね1億円前後以上の高所得者です。一般的な会社員の控除上限額には、ほぼ影響しません。
初心者がつまずきやすい注意点
つまずきやすいのは、年末の寄附、確定申告とワンストップ特例の重なり、所得税が0円のときの申告、返礼品の届く時期。どれも、知っていれば前もって防げます。
年末の駆け込み寄附は余裕をもって
ふるさと納税の寄附額は、1月1日から12月31日までの1年単位で計算されます。12月は寄附が集中するため、サイトや決済が混み合うことがあります。支払い方法によっては、入金が確認された日が寄附日として扱われることもあるため、年内の寄附にしたい場合は、日程に余裕をもって申し込みましょう。年末に寄附すると、ワンストップ特例の申請期限(翌年1月10日)までの期間も短くなります。
年末の締め切りと、手続きの期限の日付は、次の記事で紹介しています。

ワンストップ特例を申請しても、確定申告をすると無効になる
ワンストップ特例を申請していても、医療費控除などのために確定申告をすると、ワンストップ特例の申請は適用されなくなります。この場合、確定申告にすべての寄附を含めて申告しないと、ふるさと納税の控除が受けられません。確定申告をする年は、寄附金受領証明書をすべてそろえて申告します。
所得税が0円の人は住民税の申告が必要な場合も
年末調整などで所得税が0円になっている人が、住民税からのみ控除を受ける場合は、お住まいの市区町村に住民税の申告書を提出する必要があるとされています。該当しそうな場合は、市区町村に確認しておくと確実です。
返礼品の到着時期と保存方法を確認する
返礼品は、申し込んですぐ届くとは限りません。季節の果物などは数か月後の発送になることもあります。複数の生鮮品を同じ時期に申し込むと一度に届いて困ることもあるので、発送時期の確認も忘れずに。
はじめる前のチェックリスト
初めてふるさと納税をする前に、次の項目を確かめておくと抜けを防げます。
- 自分の控除上限額の目安を調べた(初めての年は控えめに予算を決めた)
- 寄附者の名義と住所を、控除を受ける本人・住民票の住所にした
- ワンストップ特例と確定申告のどちらを使うか決めた
- ワンストップ特例なら、寄附先を5自治体以内に収める予定にした
- 申請書の提出期限(翌年1月10日)または確定申告の期限(翌年3月15日)を確認した
- 寄附金受領証明書を保管する場所を決めた
- 返礼品の発送時期と、冷凍庫などの置き場所を確認した
まとめ
外せないのは、控除上限額の範囲で寄附することと、ワンストップ特例か確定申告の手続きをすること。この2つさえ守れば、ポイント還元がなくなった今も、2,000円の負担で返礼品を受け取れる仕組みは変わりません。お金は先に出ていき、税金が減るのは翌年からという時間差も、頭の片すみに置いておくと慌てずに済みます。
最初の一歩は、手元の源泉徴収票を出して、早見表かシミュレーターで自分の上限額の目安を出すことです。その8〜9割を今年の予算にして、米やトイレットペーパーのような普段使う返礼品を1つ選べば、初めての寄附になります。
よくある質問
Q. ふるさと納税は誰でもできますか?
A. 寄附自体は誰でもできますが、税金の控除を受けられるのは、所得税や住民税を納めている人です。収入がなく住民税がかからない人は、寄附をしても控除を受けられず、寄附額がそのまま負担になります。
Q. ワンストップ特例の申請書を出し忘れたらどうなりますか?
A. 期限(寄附した翌年の1月10日)までに提出できなかった場合でも、確定申告をすれば控除を受けられます。寄附金受領証明書を用意して、翌年3月15日までに確定申告をしましょう。
